何も知らない (ページ17)

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十三度目ページ17

夏休みに入って早くも一週間とちょっとが過ぎた。あれ？二週間？

日にち感覚が危うい今日この頃、流石に暇がすぎる。

とういうことで、

『来ちゃった』

「なんで？？？」

暇だったんだもん。

そういうと、出久は呆れたように笑っていいけどさ、と額を抑えた。ありがとう大好き。

本日、出久ママはお仕事らしく家には誰もいなかった。居間のテーブルを見る限り、彼は勉強中だったらしい。邪魔になってしまったか、申し訳ない(思ってない)。

「お茶でいい？」

『良くできた息子さんだねぇ』

「誰なの？？？」

とはいえ、私も流石に手ぶらで来たわけではない。ハァ～～〜良い娘！こんなに美人でこんなに性格よくて気遣いもできる！いや～～〜彼氏がいないのが不思議でしょうがない！！！

「そういうところだと思うよ」

『いつになく毒舌だね、具合悪いの？』

遠慮なくソファーで寛ぎ、リモコンを操作する。すると丁度、画面の向こうには大手ヒーロー事務所の責任者やらプロヒーローやらがズラリと並んでいた。記者会見？何かやらかしたのかな？

熱愛？フライデーされたの？いやいや、アイドルじゃないんだから。

有名どころを沢山引っ張り出してるのを見ると、事は大きいらしい。暫くすると、真ん中にいたスーツのおじさんが口を開いた。

話…というか、話し方が畏まりすぎていて全く内容が頭に入ってこない。え？なに？なんの話？そんなこんなで聞き取れたのは以下の一部分だけである(学年二位)。

「昨夜、＿＿市で起こった敵(ヴィラン)騒動に関しては不明な点が多く、未だほとんど情報が入っていない状態です。今暫く、お待ちください。」

どうやら昨日起こったテロについて話しているようだった。内容はテロというより、主に昨日現れた異形の敵についてだ。私はニュースを見る人ではないので全く分からないが、とりあえずどえらいのが来たらしい。なんでも、人間とは到底思えないような出で立ちであったとか。

個性なんてもんがあんだから、と思うのは私だ。

「A、あんまり夜中に出歩いちゃダメだよ」

『私夜遊びとかする子に見える？』

「寝る前にアイス食べたくなって一人でコンビニ行くような子にはみえるよ」

『大正解！！！！』

全くその通り！！！！

出来た子でしょ？なんだか近年私へのあたりが強くなってきている気がするんだな。

「どこかで事件に巻き込まれてたらって思うと心配なんだよ、僕も」

『ずっきゅん』