何も知らない (ページ15)

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十一度目ページ15

そういえば、と黒板に書かれた今日の日にちを見てふと考える。

今日は七月十四日。なんでもない日のように思っていたが、何か特別な日のように感じる。というか、毎年思っている気がする。

一年に何回かこういう日があるが、毎度の如く全く何もないのである。私としてはあまり気にしていないが。たまにあるじゃん、なんとなく今日誰かの誕生日っぽいなとか。多分そういう感覚だろうと自己完結している。毎年な。

まぁそれはどうでもいいが、この学校一体いつから夏休みに入るんだ。

「…あんたそれ本気でいってんの？」

なんだその目は。まさか来週からとでも言うのだろうか。いやいや、聞いてないよ私は。

「二十日からだよ、来週の土曜から。」

なるほど、金曜日には終業式ということか。それにしてもかなちゃんはそれをいつ耳にしたんだ。

「ハァ…今日の朝、浜松が言ってたでしょ。」

本当あんた人の話聞かないよね、ともう一度大きく溜め息を吐いたかなちゃんにそんな事ないけどなぁと返しながらも、手元にあったお菓子を頬張る。

かなちゃんが持ってきてくれた新発売と書かれたこのお菓子、キャラメル味と書かれている時点で間違いはなかった。

「私はそういうところを言ってんの」

『あだ、痛いよも〜』

結構な威力のデコピンだった。

この女、恐らく自分が中々の力の持ち主だということに気付いていないのだろう。ヒーローなれるよ。

『…ゴリラヒーロー、ニシムラー』

「聞こえてるからね。ダッサいし。」