何も知らない (ページ13)

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九度目ページ13

えぇどうしよ私。まさかだけどこのままお昼食べれないで終わるのかな。無理だよ午後の授業ん時に絶対にお腹なるから。

「それがさ、望月さん西のこと振ったらしいよ」

「は？マジで？なんで？」

「え、それな？西に告られて振る奴とかいないからマジで。アイツ調子のってんだって！」

「あ～～…川西くんに告白されて振った私クールぶっててかっこい～～みたいな？」

え、何めっちゃウケる～！と爆笑している彼女達。仮にも女の子なんだからぎゃははって笑うのは一寸やめた方がいいと思うよ。

めっちゃウケる～～ぎゃはは～～！！

ハァ～～どうしよう～～〜〜流石にこの状態で出ていけるほどの強心臓を私は持ち合わせていない。私メンタルクソ弱いからね。

「つかさ、さっきの多島みた？湊くんに話しかけられて超どもってんの！」

「ゆうてノート集めてただけじゃん？ウケんだけど！」

その後私に興味を無くしたのか、クラス一の地味子ちゃんである多島さんの話をしながらやっとのことでトイレから退散した。言っとくけど多島さん顔可愛いからな。想像でしかないけど、姿勢を伸ばして髪型にも気を遣えば大きく化けると思ってる。化粧落としてから来いやこのケバ女！！！(超絶的サイレントボイス)

誰もいなくなったトイレでふぅ、と息を漏らす。丁寧に洗って濡れた手をハンカチで拭き、鏡を見て前髪を直す。愛用のオ○ラをほんのり色付く程度に唇に塗りながら、少しだけ真剣に考える。この中学、なんであんなバッチリ化粧してても怒られないんだろう。

教室に戻ると、かなちゃんが数人の男子生徒に声を掛けられていた。特に珍しいことでもなかった為、あまり気にすることもなく自分の席にお弁当を取りに行った。

「あ、A。お弁当、こっち。」

どうやらかなちゃんが既に用意してくれていたようだ。かなちゃんが私に声をかけたと同時に彼女の周りにいた男の子達もこちらに目を向けた。あ、城崎くんもいるじゃないか。君のせいでこっちは大変な目に遭ったんだぞ。いや君のせいでは無いのだけれども。

『ありがとう、かなちゃん』

「望月さん、俺達も一緒に昼飯くっていい？」

私が言うが早いか、ムードメーカー的存在である越後くんにそう聞かれる。実を言うとかなちゃん以外の人と一緒に食べるのはあまり好きじゃない。微妙に緊張するし、会話なんて続けられない。が、断れるわけでもない。だって断った方が気まずくなるもん。

『うん、かなちゃんが良いなら』