何も知らない (ページ1)

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一度目ページ1

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私は昨日、十歳の誕生日を迎えた。

昨夜、二段構成のそのケーキに興奮を抑えきれずめちゃくちゃに騒ぎまくった為、その反動で今日はめちゃくちゃ静かに過ごした。

「Aちゃん！」

『？あっいずくくん！今日はどこいくのー？』

これはおさじ…おさ、おさななな…おっ

もういい、あきらめた。

とにかく小さい頃から一緒に遊んでくれているみどりやいずくくん。

「今日はね、かっちゃんの家でテレビのゲームしようって！」

『ふーん、かっちゃん家、久しぶりに行くね！
なに持ってく？おかしだけでいいの？』

かっちゃんも、ちっちゃい頃から一緒にいる。
名前…んっとね、かつきくん！だと思う。

かっちゃんはね、いずくくんのこといじめるけどね、本当はいずくくんのことも大好きなんだよ。かっちゃん、あまの、あま…じゃく？

…そういうやつだからって、かっちゃんママがいってた。素直じゃないんだって。

そういえばずっと、気になってたことがある。

いずくくんに名前を呼ばれる度、ふいに誰かの名前を呼びそうになるの。

顔も名前も知らない人なのに、変だよね。

ただ、ちょっとだけ思うのが

「Aちゃん、どうしたの？」

その人…

出久くんにすごく、凄く似てるんだ。

「Aちゃん？ぼーっとしてたら、転んじゃうよ」

『え？…あ、ごめんごめん！』

あれ？わたしなに考えてたんだろう。

それにしても今日、寒いなぁ。