和泉一織のヒミツ【和泉兄弟】 (ページ9)

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陸がみんなを集めると、テーブルに囲んで話し合いをする。

「いおりんが、出ていった……？」

「ああ……」

となると、あの言葉がくるであろう。
それを言ったのは一織の相棒、陸だった。

「なんで出て行ったの？」

きた、その言葉。
三月は拳を強く握りしめて、本当のことを言うか迷った。長年、誰にも言わなかったことを言うとなると、何だか悪い気がしてならない。
でもあのとき思ったみたいに、大事になったらいけない。
だから言おう。コイツらを信じよう。
深呼吸をして、よく聞けよ？と忠告してから言った。

「一織は……男性恐怖症なんだ……」

なぜ男性恐怖症になったのか、そして謎の電話がかかってその時の目が男性に触られたときの嫌な目だったと話す。

「……一織くんが……男性恐怖症……」

「うん……。ごめんな……言ってなくて」

「イチが、言うなって言ったんだろ？なら、仕方ねーだろ？」

「そうだよ！それをちゃんと守ってた三月は偉いよ！」

……やっぱり言ってよかった……。

信じてよかった。

「ですが……イオリどこにいるか……」

「それなんだけど、実は見つかる方法があるんだ」

ナギは、クエスチョンマークがたくさん出ていた。もしかして、と言ったのは大和だった。腕を組んで、首を傾げる。

「GPSか？」

「当たり」

指をパチンと鳴らすと、三月の携帯を出す。そしてアプリをタッチすると赤いマークが点滅していた。

「これが、一織が今いる所だ」

「すごい……。でも何故、これが一織くんだと？」

「一織のメールアドレスを入力したら、分かる仕組みなんだよ」

「なるほど……今時の技術は、すごい……」

と変なところで感心する壮五に、苦笑いする。

「……ここって、地下鉄じゃない……？」

点滅してるのを長押しすると、東京地下鉄と示されていた。

「……そこに、一織はいる……」

「なら、さっさと行こうぜ」

「おう！」

なあ、一織。お前言ったよな？迷惑かけてしまうから言わないでくれって。でもな、誰も迷惑って言わなかったんだぞ？それどころか、お前を助ける為に頑張ってるんだぞ。

だから

仲間を信じてみろよ、一織──。