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You side
当日。
私は白のTシャツにプリントが入っているのと
紺のデニムのズボンというなんともシンプルな
服を選んだ。
待ち合わせ場所に行くと
既に彪馬がいた。
彪馬はすっごいオシャレをしてた。
こんなに暑いのに薄い長袖を着ている。
そして下は黒の締まったズボン。
「お待たせ。」
彪 「あ、A!
ってなんでそんなシンプルなの!
…もしかして近所に行く程度の遊びだと思ってる?」
そう言って私の顔に自分の顔をズイッと近づけてくる
彪馬。
私は肩を押してのけた。
「…私そんなオシャレな服持ってないし、
マシなのこれしか無かったから」
彪 「ふーん、じゃあ俺が選んであげる!
ほら行こ!」
「何その手。」
彪 「はぐれないように手繋いどこ?
A方向音痴っぽそうだし」
悔しいけど彪馬の言ってることは
正しい。
私は昔からすっごい方向音痴で、よく迷子になってた。
だから今回は素直に手を繋いだ。
彪 「珍しく素直じゃん。じゃ、行くか!」
繋いだ彪馬の手は大きくて少しごつくて
男の子を感じさせた。
電車を乗り継いで都会の方へ来たのはいいものの
私は人混みが苦手だ。
だからあんまり長い時間人混みにいると気分が
悪くなってしまう。
彪 「A人混み大丈夫?」
こいつはエスパーなのか。
彪 「もし無理だったら人少ないところ行くけど
どうする?」
「…人少ないところで」
彪 「りょーかい」
私の手を握ったまま少し前を歩く彪馬の背中が
少し頼もしいと思ってしまった私はどうかしている。
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作者名:めろん | 作成日時:2021年9月18日 7時