I think of you ~ . -君を想う- (ページ38)

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You side

『この手紙を洸希から渡してもらったのは俺がアメリカに出発してから何年後かな？

きっと長い年月が経ったと思う。

元気でいますか？

大事な人はできましたか？

ちゃんと明るい未来を歩んでいますか？

今Aが幸せなら俺も幸せです。

俺らは高校生の頃に初めて出会って最初は俺が
Aを嫌ってたよな。笑

あの頃は全員の女子に対して苦手意識をもってたから
Aとも上手く話したり関わることが出来なかった。

でもそんな俺に根気強く関わってくれたのはAだった。

何回も冷たい言葉をかけて突き放したつもり
だったのに、それでも話し掛けてきてくれた。

俺、散々迷惑とか文句言ってたけど、心のどこかではうれしいって思ってた。

俺が屋上で倒れた日。

Aの前で歌った時があったでしょ？
あれさ、急に歌い始めたと思ったでしょ？笑

でも一応ちゃんと意味はあったよ。

俺はあの時にもう…自分は長くないんだって、

もうすぐ自分の体が限界を迎えて倒れることがなんとなく分かってた。

だから唯一俺ができることはAに
歌を歌うことだった。

Aと会えたらAのためにまた歌いたいな。

…そして俺がこの手紙を書いた本来の目的。

それはAに今俺がどうしているかを伝える為です。

Aがこの手紙を渡してもらった頃には

俺はもう…｣

手紙の1枚目はそれで終わっていて2枚目に続くようになっていたけど、
切り方的に良くないことだと思った。

直ぐに手紙をしまい、私は洸希に｢ごめん。先帰る。｣と言い店を出た。

洸希には後で謝っておこう。

そして私は手紙を持ってある場所へ来ていた。
それは彪馬がよく来ていた桜がよく見える川沿いの土手。

彪馬がよくここに来てたのを私が知ってたら怖いかな。笑

土手の上に座り1人静かに涙を流した。

彪馬に…会いたい…。

しばらく泣いて少しスッキリした後、

帰ろうと立つと、後ろから急に抱きしめられた。

誰かと思って怖かったけど、鼻をかすめる香水の匂い。

私は一気に鳥肌がたった。

｢彪…馬…？｣

抱きしめられていた腕がほどかれ
優しく肩をもたれ、

方向転換させられるとそこにはちゃんと彪馬がいた。

そしてまた抱き締められた。

彪馬｢A…会いたかったよ…。
遅くなってごめん。｣

｢本当よ…私てっきりもうダメなのかと思ったっ…｣

彪馬｢え、手紙読んでないの？｣