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寝室を出て部屋に戻ると
壁に飾ってある写真を見ていた田中さんが
私に気付いて「大丈夫？」と首を傾げる
田中さんと会ったのは
たったの1時間前くらいのはず
彼のことは名前と、
コーヒーは苦手だけどココアが好きで
そして、猫舌だということ
……名前と言ってもそれは田中っていう苗字だけ
当たり前かもしれないけど
たったのそれくらいしか知らない
「……何かあった？」
なのに、もう何年も一緒にいたような
そんな気になってしまうのは何故なんだろう
「……あの」
「ん、？」
少し掠れた低い声が耳をくすぐる
顔をあげたら
金色のフープのピアスが揺れて
胸の音がうるさくて
唇は少し震える
「私と付き合ってくれませんか」
「……」
「少しの間だけで、いいんです」
自分の唐突な言葉に
案の定、田中さんは目を大きくしてる
「どうしたの、急に」
「……」
理由など言えるほど、私は強くなくて
どれくらい経ったのか、
きっとほんの数秒だけど
「あの、やっぱり忘れて、
「いいよ」
「へ、」
「そのかわり、俺をここに住ませてくれるなら
……いいよ？」
田中さんの目が私を捉えて離さない
「……っ」
きっと、私は彼を傷付けることになる
雨の音がさっきよりも強く聞こえて
私が静かに頷いたら
「よろしくね、A」
田中さんは、嬉しそうに
そう私の名前を呼んだ
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ﾏｼｮﾘ。(プロフ) - 百 々さん» コメントして頂きありがとうございます。とても嬉しいお言葉でこちらも泣いておりますっ(;_;)少し悲しい雰囲気のお話にしたく、もしそう感じて頂けてるなら幸いです。これからも頑張りますので見守って頂けたら嬉しいです…！ (2020年2月20日 10時) (
レス) id: 4dee2b3c12 (このIDを非表示/違反報告)
百 々(プロフ) - 雰囲気からして私の好みだと思ったらどストライク過ぎて泣きました。更新大変だと思いますが頑張ってください！！！！！応援してます！！！ (2020年2月19日 19時) (レス) id: 1589601c77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾏｼｮﾘ。 | 作成日時：2020年2月18日 10時
