◎ ページ11
.
「ったなかさ、
「遅い」
この状況は……
「、どうしたんですかっ」
「……Aが帰るのずっと待ってた」
細い腕にがっちりと身体を締め付けられる
そう、私は田中さんに抱き締められてる
ふわっと優しい香りに包まれて、寂しそうにそう呟くから早まる胸が締め付けられる
「ごめんなさい、仕事終わるの遅くなってしまって」
「……いつもこんな遅いの？」
「今日はっ、たまたまで」
少し低い掠れた声が耳にかかる
怒っているようにも感じるのにそれが何故か心地良い
ここに田中さんがいてくれた事が嬉しくて、私もそっと腕をまわした
「すげー心配した」
「ふふ、」
「何で笑ってんの」
ばっと身体を離して、首を傾げて眉を潜める田中さんに、また頬が緩む
「何か、その……誰かが家にいて、帰りを待っててくれることが嬉しくて、つい」
「なにそれ」
そんなの当たり前じゃんって田中さんが優しく笑う
その、細く見える透き通る瞳が、宝石みたいに綺麗で……懐かしい
「田中さんって……」
「ん、？」
そう、田中さんは
どことなく猫に似てるんだ
あの日田中さんと出会った場所にいた、小さく震えていたあの猫に
.
終わり
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ﾏｼｮﾘ。(プロフ) - 百 々さん» コメントして頂きありがとうございます。とても嬉しいお言葉でこちらも泣いておりますっ(;_;)少し悲しい雰囲気のお話にしたく、もしそう感じて頂けてるなら幸いです。これからも頑張りますので見守って頂けたら嬉しいです…！ (2020年2月20日 10時) (
レス) id: 4dee2b3c12 (このIDを非表示/違反報告)
百 々(プロフ) - 雰囲気からして私の好みだと思ったらどストライク過ぎて泣きました。更新大変だと思いますが頑張ってください！！！！！応援してます！！！ (2020年2月19日 19時) (レス) id: 1589601c77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾏｼｮﾘ。 | 作成日時：2020年2月18日 10時
