《両面宿儺》仕返しします

態度46 ページ46

名残惜しくお互いの唇が離れていく。


宿儺は悔しそうに、そして沢山の涙を溢れさせていた。


じゃあ、さっきの夢の涙は宿儺の?



あぁ、そんな泣かないで...。




そっと、彼の頬にゆっくりと触れた。


すると、彼は驚いた顔をして私を見つめた。









五条｢A!!?｣




釘崎｢起きた!!!｣






横を見ると、五条先生と野薔薇、そして恵が

涙を流しながら私を見ていた。




私が目を覚ましたのが安心したのか

野薔薇は意識を失って恵に体を支えられた。




宿儺は急いで私の腹部に触れると

反転術式で傷を治した。



お礼を言おうとした直後、彼に両肩を強く掴まれた。









宿儺｢俺は言ったはずだぞ!!

二度と死に面を見せるなと!!｣







余裕のない宿儺の荒らげた声。


こんな表情を見るのはあの日以来だ。



彼の言うことはご最もだ、

私は何も言えずただ黙ることしか出来なかった。









宿儺｢それなのにお前は天罰やら殺してやらと

ふざけたことばかり言いよって!!



お前は楽になれるだろうがこっちの気持ちも考えろ!!｣








宿儺｢ｯ...本当に!｣









彼は私の後頭部に手を添えて

自身の胸に押し付けて、強く強く抱きしめた。








.









宿儺｢お前が死ぬと考えて...怖かった..ｯ...｣









か細い声。

項に伝わる宿儺の涙。

震えている体。



本当に怖かったのだろう。



それなのに私は自分勝手な感情で

相手のことを考えずに...。



そっと、私も抱き締め返した。








.









.









『ごめん、...ｯ。

ごめんねぇ..ｯ...』








この時、私はただ謝ることしか出来なかった。


その後、私は伊地知さんにより硝子さんの所へと搬送された。

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