《両面宿儺》仕返しします

態度30 ページ30

伏黒｢恋か｣







そう呟くと、恵はズイッと顔を近づけてきた。



こんな顔面国宝が目の前に現れたら

流石にドキッとするのは当たり前。








『どうしたの恵??』






伏黒｢なぁ、ひとつ聞いていいか｣






『え、う、うん??』








うわ、まつげ長い!


更に顔を近づけてくるものだから、下がろうとすると背中が自販機にぶつかった。




なにこれ、追い込まれてるの??









『め、めぐ』







伏黒｢俺の方が大事にするって言ったら

Aはどうする｣







『...え?どういう__』








伏黒｢ムカつくんだよ｣









ツーッとキスマがあるであろう場所を

指でなぞって、切なげな顔をする恵。



そんな姿を見ていたら何も言えず、ただただ息を飲むことしか出来ない。









伏黒｢お前のそんな鈍感なところも


この首に付けられたキスマークも


アイツにしか見せない顔も...全部ｯ___｣









.









.









____｢何で俺の物にならないのかムカつくんだよ!｣









.









今まで聞いたことの無いほどの声量。


この表情も全部、初めてだ...。




彼に鈍感と言われたが、さすがにここまで言われれば伝わる。



そうか、恵は昔からずっと私を好きだったんだ。



なのに私は気づかず、無意識に彼を傷つけていたのかもしれない。




そう思った瞬間、頭に鉛が当たったような衝撃が私に襲った。









.









『ｯ...


ごめんね』









申し訳なさで頭がいっぱいだ。


目頭が熱くなるのを感じる。








.









.









パサッ









すると頭に誰かの上着が掛けられた。


そして、そっと胸に引き寄せられた。









.









伏黒｢...


宿儺｣









宿儺｢...｣









グイッと肩を引き寄せられると

ゆっくりだが歩き出した。




上着の隙間から見えた宿儺の顔は

とてつもなく静かだった。









『...宿儺』








宿儺｢...｣









『ごめん...』









返事の代わりに頭をポンポンと叩く彼。

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