感情を潰した数学教師 (ページ19)

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113話確かめ～夕士side～ページ19

昨夜からの雨は今も降り続けており、辺りを薄暗い雰囲気にしている

放課後、俺はあの例の小部屋へと足を進めていた

フール「……やはり調べるのでございますね？」

夕士「まぁな、前はすぐに出ちまったし……ノルン達の言う『ドロドロしたモノ』の正体が気になってな」

フール「素晴らしい！それでこそ我らが主!!この不可解な事件を見事解決なさるよう我ら一同しっかりと後押しいたしますれば！」

ピョンと飛び出してきたフールを慌てて両手でトッ捕まえる

誰も居ないとは言え、外で声を出したり動いたりするんじゃねぇよ！

夕士「オイフール…お前ひょっとして俺に小説や漫画の主人公みたいな事、求めてねぇか？」

フール「……」

夕士(ぜってー求めてやがる！)

フール「そのように決めつけになってはいけませんご主人様、世界は無限の可能性で満ち溢れているのです」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

夕士(すべる……)

フール「そして！夢や冒険が待ち受けているやもしれないではありませんか！」

夕士「つ～……言ってろよ！いいか！？俺の第一志望は県職員だからな！」

ビシッとフールに向けていた筈の言葉と指は、いつの間にか来ていた田代に向けてしまった

夕士「たっ、た、田代！」

田代「びっ、びっくりしたぁーっ!!えー？なに？何でこんな所で将来の夢語ってたの？」

夕士(めんどうくさい……)

夕士「っせぇな！なんだよお前は！？また尾けて来たのか？」

田代「だってー……やっぱ気になるじゃん？あたしだってハッキリさせたいもん。女は駄目とか言わないでよ？」

夕士「……分かった分かった…でも単に調べるだけだぜ？大人しくしてろよ？」

田代「いーよ！」