トリップ少年は幸せになれますか？

155話 どう存在したいか〜398番side〜 ページ29

397番「俺さ、実は狼男なんだ」

398番「……はっ？」

397番「俺だけじゃねぇよ？2番だって猫と人間の混合種だし、そんな奴等、ここには他にも沢山いる」

398番「……」

397番「分かっただろ？ここで産まれた奴等は遺伝子操作で産まれた……だから完全な人間はアンタだけなんだよ」ﾆｺﾆｺ

398番「……何で……何でお前それで笑ってられる？」

397番「俺は自分を人間だって思ってるから……身体なんてのは只の器。自分が人間だって思ったらそれで良いんだよ」

398番「……器？」

397番「そう、器」ﾆｺﾆｺ

分からない……

頭の中がグルグルと回りグチャグチャしてくる

ココで産まれた奴等は皆、人間の身体をしていない

でも、コイツは身体を『器』と言った

そして……器なんか関係ないと……

398番「……寝る」ﾎﾟﾌｯ

色々と考えすぎて頭が痛む

397番「あれ？もう寝るの？お休み〜」

パチリと電気が消えた暗い、静かなベットの上で考える

先程の397番の話を繰り返し思いながら……

398番(分からない……本当に……)ｳﾄｳﾄ

結局、明確な答えが出ないまま、俺は眠りに着いた

156話 弱音〜398番side〜→←154話 可哀想〜398番side〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す