トリップ少年は幸せになれますか？

154話 可哀想〜398番side〜 ページ28

398番「だってそうだろ、お前は長い間組織に居る……それなのに、まだ下っ端だ。ど〜せ、ざまぁねぇとでも思ってんだろ」ﾌﾝｯ

397番「いつ、俺がそう言った？何で憶測で話す？」

398番「決まってるからだ。人間は皆腹黒いってな」

397番「……お前、可哀想だな」

398番「はっ？」

理解が出来なかった

なぜ、そうなる？

397番「何で人間を信じられないんだよ？同じ人間なのに……そんなの可哀想だ」

398番「だったら俺は違う。俺は人間じゃない。道具だ」

397番は泣きそうな顔をしてる……本当にコロコロコと表情が変わる野郎だ

397番「そんな筈無い。お前は誰がなんと言おうと人間だ」

398番「違う、先生の道具だ。俺は先生に作られた」

397番「違う」

398番「違わない」

押し問答が続き、イライラしてくる

398番「いい加減にしろ!!しつこいぞ!!」

397番「じゃあ!!」

顔を上げて俺を睨み付けるソイツは泣いていた

辛そうに……苦しそうに……

397番「じゃあ何で398番は苦しそうなんだよ？何で辛そうにするんだよ……」

398番「そんな訳が無い。そうしてるのはお前だろ」

397番「違う!!いつも先生の所に行った帰り、辛そうな……死にそうな顔をしてる!!嫌だったら止めろよ!!無理して行くな!!」

398番「別に俺は……」

397番「お前が人間じゃ無いって言うならさ!!さっきのイライラは何だよ!!道具はイライラ何かしない!!」

398番「回路が可笑しくなったんだろ？そう思え」

397番「無理して道具にならなくて良いんだよ!!正直に話せよ!!」

398番「じゃあ!!」

今度は俺が怒鳴る

イライラして……

398番「じゃあどうしろってんだよ!!俺はただのクローンだ!!本体はもう、とっくに死んじまって!!身体全体が偽物になっちまったのに!!」

グチャグチャして……

398番「本当に……どうしろと……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

止まらない……

397番「……やっぱ可哀想だよ、アンタ」

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