カンカン ジャラリと鎖の音が

17話 餌付け ページ19

一色「おや、可愛いネェ」ﾆｺﾆｺ

クリを先頭に、幼子2人と2匹はアパート内をアチコチ歩いていた

時折、すれ違う妖怪に身体をビクつかせるアメだったが、その度にクリはアメの身体を撫でた

まるで、見知らぬ地で怯えるアメを安心させるかの様に

クリ『〜♪』ﾃｺﾃｺ

クリが向かったのは食堂

オヤツ時の為か、良い匂いがたちこめる

アメ「……クー」ｸﾝｸﾝ

クリ『ちょうだい、ちょうだい』ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

るり子『待っててね？』ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

手首だけのるり子さんがクリの頭を撫でる

アメ「キュー？キュ？」

クリ『オヤツの時間!!』ﾌﾝｯ!!

しばらくすると、オヤツが運ばれてきた

幼子2人には、特製のコロッケが、2匹にはジャーキーが手渡される

アメ「キュー？」

クリ『食え』ﾑｸﾞﾑｸﾞ

目の前にある食べ物を知らないアメは首を傾げる

しかし、クリが半ば無理矢理にアメの口に押し込んだ

アメ「ケフッ!!ケフッ……クー!!?」

噎せながらも、アメは片足を機嫌良く揺らしながらコロッケを食べる

どうやら気に入った様だ

アメ「キュ、キュキュ♪」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

るり子『……』ﾅﾃﾞｯ…

アメ「クル……クルル、クル♪」ｽﾘｯ

アメはるり子さんに撫でられて気持ち良さそうに喉を鳴らした

そんな一部始終を見ていた稲葉 夕士は

夕士「……るり子さん、凄いっス」

『餌付けは凄い』……そう思わざるを得なかったらしい

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