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2017年2月23日 ページ46
2月23日は木曜日だった。 平日だった為に二人とも部屋を空けており、連絡が入ったのは夜のことだった。
「もしもし古川…え、海外旅行保険?」
電話の主は海外旅行保険会社。 ご家族ではないのですか? と訊ねられ、慌てて親戚の者だと嘘をついた。
「え、え、柾さんそんな保険に入っていたんですか?」
柾さん。 真理恵から見たら従兄の従弟にして同居人の兄にあたる人物である。 血縁関係も縁戚関係も無い。
「はい…電話、代わりますね」
名雲さーん! と、部屋に籠る同居人を呼んだ。 とても自分の胸中に納められる話ではない。 むしろ子機なら振り落としていただろう、そんな話だ。
「お電話です」
「どなたから?」
「それは、ちょっと…」
名雲は何か課題を片付けていたのだろうか。 夕食の仕度に戻ることも出来ずに立ち尽くす真理恵だった。 この報せが関わった人々の人生を狂わせるとも知らずに──。
THE END
『フォーリントラベルは突然に』
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