検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:23,634 hit

122 ページ30

〜竈門視点〜








無惨との戦いも終わり、


蝶屋敷で回復しきった俺は、


善逸と伊之助、そして、禰豆子と

故郷へ向かっていた。



でも、その前に…。











我妻 「炭治郎、どこに行くんだ?」

竈門 「…仲間の眠る場所。」


禰豆子「それって…。

Aさん?」




そうだよ禰豆子。





俺達は、彼女の墓に着いた。







俺は、

彼女の最後を見ていないんだ。




あの子の死を知ったのは、


戦いが終わった後だった。



衝撃のあまり、気を失ってしまったよ。


目が冷めてからも、


ずっと立ち直れずにいた。

涙が止まらなかった。






その時、カナヲがAの遺書を持ってきた。






『竈門君


これまでお世話になりました。

とても楽しかった。

私に、たくさんの幸せを届けてくれてありがとう。

あなたと出会えて、本当に良かった。


どうか、いつまでも元気で、


幸せになってください。




A』








短い文だった。

だけど、とても気持ちのこもったものだった。


なんで君はいつもそうなんだ。

他人の幸せばかり考えて、
自分のことをなんとも思ってない。


怖かっただろうに、

俺達に心配をかけないように強がって。



本当に、優しい人だよ。











Aは、俺達みたいに、

病気と戦っていたんだ。
 


…もしそれが鬼だったら…。

俺が助けてあげられたのに。





それにしても、

相変わらず綺麗な字を書くよな。






『お母さんが字にはうるさくてね。

気がついたら、私の唯一の特技になってたんだ。』






生前のAの言葉を思い出した。




君の顔や声を思い出すだけで、

涙が止まらなくなるよ。



禰豆子「…お兄ちゃん…。」




我妻 「…もっと早くに、

鬼がいなくなってたら…。

Aちゃんはまだ生きてたかもしれないのに。」



あともう少しで、

君にこの世界を見せてあげられたのに。





嘴平 「…花子…。」










『花子って誰!?私はAです!』









竈門 「伊之助、Aだよ。」



伊之助「…A…。


なんで死んじまうんだよ!

もうお前の天ぷら食えねぇだろうが!」
 


彼は、墓の前で泣きじゃくる。

伊之助は、会う機会も少なかっただろうに。

ちゃんと心には残ってるんだな。


 
Aの隣は時透君の墓。


彼の前でも手を合わせる。




あの世で、時透君たちと幸せに暮らしているだろうか。

お知らせ→←121



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月23日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。