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時透 「でも、いい鍛錬になることは間違いなしかな。」
A「指導は全て、現役の柱によるものだからね。」
…まぁ、頑張って。我妻さん。
ー柱稽古ー 〜竈門視点〜
竈門 「時透君!」
時透 「炭治郎!」
みんなより一足遅れて稽古に参加した。
宇随さんの稽古は…なかなかキツかったな…。
いや、でも柱稽古なんだから当たり前だ!
この機会で、柱みたいな強い人たちにもっと近づきたい!
頑張れ俺!
時透君は、あのとき一度だけ蝶屋敷で会っただけなんだけど、
なんか…。以前より随分雰囲気が変わった。
俺、懐かれてる?
そういえば…。
Aとは上手くやっているのだろうか。
何故だか分からないけど顔が合わせづらくて、
彼女とはここ数日一度も話してない。
あのときAが俺のところへ来たのは、
何か用事があったからじゃなかったのか?
それなのに俺は
…自分の知りたいことを聞いて傷つけただけだ!
サイッテーじゃないかっ!
時透 「…炭治郎?」
竈門 「あ、時透君。」
気がつけば一日目の鍛錬は終了して、
外は真っ暗になっていた。
時透君は屋敷の縁側に腰掛け、俺を不思議そうに見ていた。
時透 「どうしたの?」
竈門 「あ、いや、俺は…。」
別に時透君に用があるわけではないのに、
何故かそこから動けなかった。
…ん?
よく見たら、時透君の目の下が赤い。
それに…なんだかとても怒っているような、悲しいような匂いがする。
竈門 「…時透君、泣いた?」
時透 「…え?」
違ったかな?
嘘をついていても、俺だったら匂いでわかる。
でも今は、怒りと悲しみの匂いが強すぎて、
他の匂いがわからない。
竈門 「…何に怒ってるんだ?」
時透君の目が大きく開いた。
時透 「…そっか。
…炭治郎は鼻が効くんだったね。」
俺は、時透君の隣りに座った。
時透 「僕は…大事な人との約束を、守れなかった。」
竈門 「…それって…Aのこと?」
時透 「違う。…Aのお兄さん。」
竈門 「お兄さん?」
Aはお兄さんがいたんだな。
…でも、以前兄弟はいるのかと尋ねたとき、
弟だけだと言っていたんだが…。
時透 「…深くは言えない。でも、俺はその人と約束をしたんだ。
Aを一人にしないと。
ずっと一緒に居ると。」
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