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〜A視点〜










ここはどこだろう。




私…確か死んだよね。






  「A。」






声のしたほうを振り返る。

見たことのない、黒髪の青年だった。


私よりも少し年上くらい。


なんで私の名前を?






  「俺は平助。


  お前の兄。」






A「…え?」




私に兄なんて…。




平助 「母さんの腹から出されてすぐに死んじまったからな。

母さんも父さんも言ってなかったし。

信じらんねぇよな。」



この人は、


多分嘘をついてない。




だって、





ものすごく弟に似てるから。






A「…お兄ちゃん、なんですね。」

平助 「…へ?」

A「…会えて嬉しいです。」



私は、平助さん…お兄ちゃんに微笑んだ。

すると、彼もつられて笑ってくれた。


平助 「…俺も…。」


いきなり抱きしめらる。




平助 「…ずっと会いたかった。」





やっぱり、お兄ちゃんだ。

安心する。



平助 「ずっと見てたよ。

お前が、必死に生きている姿を。

苦しみと戦ってる奴らを応援してる姿を。




よく頑張ったな。」





A「…うん。」



平助 「本当は、まだこっちには来てほしくなかった。

生きていてほしかった。


でも…アイツには、感謝しないとな。」



A「…アイツ?」





平助 「お前のよく知ってる奴。いずれ分かるよ。」



そっか。




お兄ちゃんは私を離した。




平助 「さ〜て。お前の愛しの彼の様子を見てみるか?」

A「愛しのか……なっ!なんでっ!?」

平助 「言ったろ?

俺はお前をずっと見てたんだよ。」


お兄ちゃんは私を連れて、
泉のような場所に来た。



誰かいる…。




平助 「よっ。弟さんはどうだ?」




「ああ、大変なことになったな…。」



平助 「そうか…。」




髪が長くて顔が見えない…。


というか、誰かに似て…。




A「貴方って…。」




「…っ!お前は…。」




?どこかで会ったっけ?


平助 「コイツ、俺の妹。」


A「Aです。

兄がお世話になってます…か?」



「なんで疑問形なんだよ。



まぁ、こいつのお転婆ぶりに振り回されてるのは本当だけどな。

本当に平助はお前にそっくりだよ。A。」



あっ、顔が見え…











A「えぇぇぇぇぇぇ!?」


平助 「うわっ!なんだよ!」


「?」



貴方って…。

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月23日 16時

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