もちろん全部、自覚アリ【不機嫌なモノノケ庵】

３３【提 ﾃｲｱﾝ 案】 ページ35

*

《二人も一度くらい隠世を見た方が良いんじゃない？隠世社会見学として♪》
「妖怪に怯えまくってるヤツと妖怪に好かれまくるヤツが……妖怪だらけの隠世に行きたいわけねぇだろ」
「「行きたいです！」」
「はぁぁぁ――！？」

隠世かぁ……。
どんなところだろう？
物怪庵やイツキくんの仕事着が和風だから、やっぱり日本古来の趣なのかな？

《ほらー連れて行ってあげなよ！》
「断る！お前らも『行きたい』って何だ！ただの肝試し感覚の興味だろ！！」
「正直……コワいもの見たさの好奇心半分ですケド……」
「興味はすごくアリマス……」

見たことの無い世界を、見てみたいと思うのは当たり前のこと。
でも……

「でも、隠世に妖怪を送る仕事をするからには……私は、そこがどんな場所か知っておきたい」
「オレも……働くからにはこの仕事のことをもっと勉強したい！」

ハナエくんと、気持ちは同じだったみたい。

けれど、イツキくんの反応が無い。
やっぱり、私達はお荷物になっちゃうから……。

「……やっぱり、ダメ？」

半ば諦めて、イツキくんの方を目だけで見上げる。

「〜〜ッ、……ハァ、じゃあ来い」
「いいんですか！」
「ありがとう！イツキくん！」

「ハァ〜〜……」

溜息をついて、行く前からげっそりと顔色の悪いイツキくんを見て、今更少し不安が沸いてきた。

《妖怪に目とか耳とか捥がれないようにね！！》

やっぱり不安かも……。

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-押しに弱い-

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