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28【参 サンメン 面】 ページ30

*

「ネロ……!」
「え?ハナエくん早いっ!!」

この話の詳細を知らない私は、ハナエくんが涙する理由が全然分からなかったが、どうやら最後は涙無しでは読めないような内容のようだ。

「ご覧の通りです。今回はコイツが適役かと」
「確かに」

二人で頷く安倍くんとミツチグラ様に、訳が分からず。

「一体何なんですか!この状況!!」

すると、ミツチグラ様が袖から何かを取り出す。見ると、それは泣き顔と怒り顔の面だった。

「これは私の感情なのです」

ミツチグラ様は、その面を付けることで、感情表現ができるらしい。けれど、そのうちの一つ「笑面」というものを落としてきてしまったというのだ。

「『笑面』はミツチグラ様を祓った”青流寺”って寺にあるはず」
「青流寺……」
「知ってるのか?」
「うん、父の関係で少し……」

確かあそこには、私達と同い年の娘さんがいらっしゃったはず。


そうこうしているうちに、青流寺の扉が物怪庵から繋がっていた。

「五歳児でも一人でお使いくらいできんだろ?」
「誰が五歳か!!15歳のお使い力侮らないで下さいよ!!」

安倍くんの挑発?にまんまと乗せられるハナエくん。

「お面と一緒に木魚くらい持ってきてやりますからっ!」

そう捨て台詞を放って、ハナエくんは出て行ってしまった。

「ハナエくん……大丈夫かな?」
「芦屋様はここで働き始めてから日が浅いのでしょう?」
「まぁ……何事も経験ですよ」

そう言った安倍くんの顔には隠しきれない不安が窺えた。


リン――
《A今日の髪型もかわいいわね!》
「あ、ありがとうございますっ」

昨日はストレート、今日は髪型を三つ編みにしているのだ。
実は髪をいじるのが趣味だったりする。
それに早速気づいてもらえるなんて、物怪庵さんは女性的な鋭さがあるなぁと感心する。

可愛いと言ってもらえたし……安倍くんもそう思ってくれたら嬉しいなぁとチラリと見ると彼は腕を組んでいつもの考えるポーズ。

やっぱり、両想いにはまだまだ遠そうだな……。


「それより、天宮。お前……覚悟できたんだな」
「うん。だから、これから……よろしくお願いします」

正座をして、畳みに付きそうなほど頭を下げる。

お客様の前だけど、私はこうしてここで働く【契約】を結んだのだ。



*
-助手として-

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設定タグ:不機嫌なモノノケ庵 , 安倍晴齋 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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レア - 凄く面白いです! 朱里ちゃん可愛い! 続きが読みたいです! (2019年2月14日 21時) (レス) id: 47e47ec318 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - わわわッ!!/// 私も不機嫌なモノノケ庵を愛読してまして...。この夢小説を見かけてとっても嬉しく思ってます!!頑張ってください!! (2017年5月31日 23時) (レス) id: 9fc158d11b (このIDを非表示/違反報告)
雪菜 - オケです!これからも更新頑張ってください! (2016年10月11日 17時) (レス) id: 6399b4f188 (このIDを非表示/違反報告)
うし(プロフ) - ハニーさん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです、これからも頑張ります。よろしくお願いします。 (2016年10月6日 23時) (レス) id: 2c2d75bad9 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー(プロフ) - 天宮さん可愛いです!これからも楽しみにしてます! (2016年10月4日 23時) (レス) id: 235af3f7e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うし | 作成日時:2016年8月6日 1時

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