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15【御 オマモリ 守】 ページ16

*

夜。

あの緑色の妖怪の親玉を祓うため、私たちは再び物怪庵の扉を開いた。

「昼より増えてるね……」

学校の廊下に繋がるそこには、既に十数匹の妖怪たちが待ち構えていた。

「ってかホント、襲われる前に助けに来て下さいよ!」
「んん、あー……行く行く」
「もっとやる気見せて下さい!!」

溜息をつきながら適当な返事をする安倍くん。大丈夫かな……?
エサ役になると自ら買って出た芦屋くんも、いざとなると恐怖感を抱いてしまっているみたいだし……。

「わたしも、すぐに追うから、ね?」
「女の子の天宮さんに助けてもらうなんて情けない……けど、その時は必ずお願いしますっ!!」
「はい、任されました!」

気がついたら敬礼なんてして、芦屋くんのノリにすっかり馴染んでいる。
恐るべき芦屋くんのコミュニケーション能力……。


「うりゃ、くっ、うっ、はっ……!」

まだ芦屋くんはどうしても一歩目を踏み出せないでいた。

「……はぁ。おい」

それを見て痺れを切らしたのか、安倍くんがため息をついて芦屋くんに声をかける。

「これ貸してやる。首から下げとけ」

そう言って安倍くんが手渡したものは、紐で繋がれた印籠。

「お前が喰われても大して困んねぇが……それが喰われんのは、困るから……」

『印籠』が安倍くんの失ったら困るもの……?

それが何かよくは分からないけれど、それを芦屋くんに渡したと言うことはつまり……。

「『困るから……お前が喰われる前に必ず助けに行く、俺を信じろ』ってことですか?イケメンですか?」
「!!!」

芦屋くんが見事に直訳してしまったけれど、つまりそういうことなのだと思う。
安倍くんは、何だかんだ言っても、芦屋くんを守るつもりでいるのだ。


いいなぁ……。
わたしも、守ってくれない……かな?

体質でいっても、役目でいっても、今回私に危険が及ぶことはないだろう。

けれど、私も一応女の子だから……男の子に守ってもらうってなんだか憧れてしまう。

ましてやその男の子が――ならばなおさら。


そんな思いを抱きながら、"イケメン"安倍くんを見つめていた。


*
-女子の憧れ-

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設定タグ:不機嫌なモノノケ庵 , 安倍晴齋 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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レア - 凄く面白いです! 朱里ちゃん可愛い! 続きが読みたいです! (2019年2月14日 21時) (レス) id: 47e47ec318 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - わわわッ!!/// 私も不機嫌なモノノケ庵を愛読してまして...。この夢小説を見かけてとっても嬉しく思ってます!!頑張ってください!! (2017年5月31日 23時) (レス) id: 9fc158d11b (このIDを非表示/違反報告)
雪菜 - オケです!これからも更新頑張ってください! (2016年10月11日 17時) (レス) id: 6399b4f188 (このIDを非表示/違反報告)
うし(プロフ) - ハニーさん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです、これからも頑張ります。よろしくお願いします。 (2016年10月6日 23時) (レス) id: 2c2d75bad9 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー(プロフ) - 天宮さん可愛いです!これからも楽しみにしてます! (2016年10月4日 23時) (レス) id: 235af3f7e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うし | 作成日時:2016年8月6日 1時

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