もちろん全部、自覚アリ【不機嫌なモノノケ庵】

１３【方 ﾎｳﾎｳ 法】 ページ14

*

「四六時中……ですか」
「学校にいる間だけじゃダメかな……？」
「本気か？お前達」

眉間を押さえて険しい表情をする安倍くん。

あ、それより！
私が気になっているのは安倍くんなのに、芦屋くんとずっと一緒にいたら周りの人に勘違いされちゃうよね！？

それは困ったなぁ……。

「……何も、方法がねぇワケじゃねえけど」
「えっ、本当！？」
「俺の推測があってたらな」

安倍くんの推測によると、あの小さな子たちは「働きアリ」みたいな分身で「女王アリ」に当たる
『親玉』がどこかにいて、そこに連れて行こうとしている、ということらしい。

「行ってくる」

親玉を祓いに行くと安倍くんが踵を返す。しかし、芦屋くんがそれを止めた。

「やっぱり祓わなくていいです。もしその妖怪に安倍さんが喰われたりしたら……それこそ学校通えませんって！！」

もし失敗したら、安倍くんは食べられちゃうの？
そんなのって、ないよ。
私にできること、無いのかな……。

芦屋くんの様子を見て、考え込んでいるようだった安倍くんが取っ手に手を掛けて言った。


「俺は芦屋とは違う」


その、何だか寂しそうな言い方が妙に心に刺さる。
まるで自分に言い聞かせているような……。

それってつまり……本当は『同じ』を求めているってことだよね？

*
-一人で行く事-

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