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10【初 ハツミミ 耳】 ページ11

*

「てめぇが授業初日から休んでくれたお陰でな!天宮とはイロイロ(・・・・)あったんだよ!」
「へーぇ!隅に置けませんね安倍さんも!!!ズルいですよ!人が休んでる間に!!!」
「そんなこと知るか!!!」


安倍くんと芦屋くんがヒートアップすると同時に、私の体温もヒートアップしていた。

どうせ私の事なんて、ただのケンカの種で。二人にとって取るに足らないことなんだろうけどっ!
でも!曖昧な感情を抱えている今の私にはそれは……過激すぎなのです。


耐えきれなくなって、二人から離れて一歩ずつ後退すると、とうとう芦屋くんに憑いていた残りの妖怪たちが、追うように私の所に寄ってきた。

すると、流石に事態に気がついた芦屋くんがこちらを凝視する。
――というか安倍くんも状況に気がついている……?


「そうでした!この妖怪たち、俺にさっきまで全部憑いていたんですけど、それを彼女が助けてくれたんです!」

芦屋くんは思い切り私を指さしてそう叫ぶ。周りに人、いないよね……?

「天宮が……」

安倍くんの目が見開かれる。
やっぱり、安倍くんも妖怪のこと……。

「えと、私は……ただ引き取っただけなんですけど、ね」

痛いほど感じる、芦屋くんからの期待の眼差し。私は必死に手を振って否定した。
そんな大したことしてないし、できないし……。

「それでもすごいんですよ!彼女も祓い屋なんですか、安倍さんっ」

キラキラの笑顔で尋ねる芦屋くん。芦屋くん安倍くんに敬語だし……何というか、友達というよりペットのワンコとその主人みたいな?

なんて失礼なことを考えてると――

「……知らねえ」

安倍くんの低い声が響く。

「え?」
「俺は聞いてないからな、そいつから何も」
「安倍さん何怒って……」
「怒ってねぇ!」

そうは言っても、不機嫌そうな安倍くん。
私のせい……?

「……騒ぎが大きくなる前に行くぞ」

見に来たギャラリーを一瞥して、淡々と動く安倍さん。

「物怪庵、来い」

私は動揺しつつも、初めて「物怪庵」の敷居を跨いだ。


*
-あの時何も-

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設定タグ:不機嫌なモノノケ庵 , 安倍晴齋 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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レア - 凄く面白いです! 朱里ちゃん可愛い! 続きが読みたいです! (2019年2月14日 21時) (レス) id: 47e47ec318 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - わわわッ!!/// 私も不機嫌なモノノケ庵を愛読してまして...。この夢小説を見かけてとっても嬉しく思ってます!!頑張ってください!! (2017年5月31日 23時) (レス) id: 9fc158d11b (このIDを非表示/違反報告)
雪菜 - オケです!これからも更新頑張ってください! (2016年10月11日 17時) (レス) id: 6399b4f188 (このIDを非表示/違反報告)
うし(プロフ) - ハニーさん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです、これからも頑張ります。よろしくお願いします。 (2016年10月6日 23時) (レス) id: 2c2d75bad9 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー(プロフ) - 天宮さん可愛いです!これからも楽しみにしてます! (2016年10月4日 23時) (レス) id: 235af3f7e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うし | 作成日時:2016年8月6日 1時

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