来世で逢おう【gt】 (ページ10)

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とうじつページ10

gt 視点

「はやくしろ！！！！」
「人狼はどこだ！！！！！！！！！！！」

沢山の怒号や泣き叫ぶ声が轟く
処刑台に吊るされた彼女
虚な目をしていて、抵抗も何もしなかった
ちらりと見えた左手に俺と同じ指輪が鈍く煌めく

「これより！！！狼人間のAを開始する！！！！！！！！」

野太い男の声で場は盛り上がる
"はやく殺せ"、"やっと死んでくれる"
誰一人悲しむ素振りを見せる奴は居なかった

俺は後ろで何も言わず彼女を見つめるだけ
処刑人や野次馬達を軽蔑したような目で見る

「何あの目！！！！馬鹿にしてるの！？！？！？」
「クソ人狼！！！！！！！！お前が死んで清々するな！！！！！！！！」

A「私も、あなたたちとお別れでうれしいです」
A「ただ一人を除いてね」

ただ一人。きっと、きっと

俺のことだ

Aは野次馬達を見渡す
そして、目が合った
不器用に笑って口パクで

だいすき

そう言った
泣きたいけど、泣けない
泣いたらバレてしまう
泣かないように、俺も口パクで返した

おれもすき

と。
彼女はきっと気づいてくれた

「構え！！！！！！！！！！！」

カチャ、と彼女に銃口が向けられる

「撃て！！！！！！！」

彼女は撃たれた
頭から血を垂らしてグデン、と力が抜けてきる
嗚呼、死んだんだ
嫌でもそう思い知らされた

野次馬や処刑人は大喜びだった
俺だけだった。

歯を食いしばって涙を堪えたのは

彼女は、処刑された