５３〈過去編〉 ページ15
ピエロ、本当にそうかもしれない。私は、自分の能力に自惚れてた。自分は人にはない、特別を持ってるって。だから、人に合わせてあげなくちゃって…。ほんと、馬鹿みたい。自分の能力に溺れてるだけじゃない。
ハリー「A、大丈夫かい？」
貴女「ごめんなさい、ハリー。私勝手に大会棄権しちゃって。約束、守れなかった。」
ハリー「……」
貴女「でも、どうしよう。ラケット、握れないの…。怖いよ。相手の技を奪うこの能力が、怖い。やだ、盗みたくない。私、もうテニスできない。」
ハリー「何を言ってるの？あんなに好きだったじゃない。」
貴女「好きだから…！誰かが、努力して手に入れた技を、私が努力もせずに奪うことが嫌なのっ…！こんなこと、するべきじゃない。」
ハリー「また、目隠しをすればいいじゃないか。そうすれば、またテニスが…」
貴女「無理、だよ……あの試合から、辛いの、テニスが。初めて苦しいの。」
ハリー「何を言っても、だめ？」
貴女「うん。私、もう、大会には出ない。テニスは、一人でも続けられそうだから。」
ハリー「そっか……なら、用無しだね。」
貴女「え、……なに、言ってるの？ハリー？」
ハリー「本当に、Aはお人好しだね。そんな能力を持ちながら、相手選手に罪悪感を抱くなんて。とんだ人格者だよ。お父上そっくりだ。」
貴女「ハリー…？？ねえ、どうしたの？いつものハリーじゃないよ！」
ハリー「いつもの？ああ、猫かぶりの「僕」？ざーんねんでした。いつもの「俺」はこっち。ねえ、なんで俺がわざわざ君に多額の資金をつぎ込んで、国際大会で優勝するまで強くさせて、なおかつこれから出る大会で優勝するようお願いしたか、わかる？」
貴女「え…」
ハリー「それは、スポーツ業界の闇、賭け試合をす・る・た・め。賭け試合ってのはね、単純明快。二人の選手、チーム、どちらが勝つか賭けるんだ。巨額をつぎ込んでね。だからさ、いつも勝ってくれる選手やチームがいると、すっごく助かるの。大人って面白いでしょ？絶対Aが勝つって分かってて、対戦相手に金をかけるんだもん。ほんと、面白い。てか馬鹿。まあ、お陰で俺はボロ儲けだけどね。」
貴女「じゃあ、今まで私の相手が大人ばっかりだったのって……」
ハリー「相手が強そうだと、お金、いっぱい賭けてくれるでしょ？本当に、君は優秀なプレイヤーだよ。」
貴女「ハリー………そんな、うそ…」
ハリー「真実は、とても苦いでしょ？」
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白銀水龍(プロフ) - かなり久しぶりの更新です！ありがとうございます！これからも更新復活できるように頑張ってください。応援しています！ (2018年11月20日 7時) (
レス) id: 0a595b5733 (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください！ (2018年6月11日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
ウララ(プロフ) - ポイレリロさん» ポイレリロさんお久しぶりです！！番外編中に続編にいってしまうという(たぶん)前人未踏なことしちゃいましたwコメントありがとうございます！また頑張れそうです！´ω`* (2015年7月28日 20時) (レス) id: c014f62849 (このIDを非表示/違反報告)
ポイレリロ(プロフ) - ウララさん！！ポイレリロです！(覚えてますかね…)続編おめでとうございます！更新頑張って下さい！ (2015年7月26日 16時) (レス) id: 892bf95c0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウララ x他2人 | 作成日時：2015年7月26日 15時
