かわさきさん家 (ページ20)

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▎好きな人ページ20

あ

部屋で一人テレビとにらめっこしてればドアの向こうが何やら騒がしい。

星輝が友達でも連れてきたのかななんて思ったけどその予想は大ハズレでテレビに向き直った瞬間私の部屋のドアが勢いよく開いて片手にテキスト、片手に教科書を持った星輝が飛び込んでくる

「なになにどうしたの」

そう声をかければ今度は勢いよく私の横に座り " お願い！勉強教えて！ " と顔の前で手を合わせる

うん、聞く人間違えてるよ星輝 ...

「皇輝は？」

星「皇輝まだ帰ってきてないから聞けるの姉ちゃんしかいないんだよ」

仕事場では私の事「 A 」と呼ぶくせに家ではいっちょ前に「姉ちゃん」なんて呼ぶから星輝と仕事同じ時のオンオフはきっとこの呼び方がスイッチになってる。

「皇輝に聞いた方が間違いないよ。帰ってきてから聞きに行きなよ」

星「疲れてる時に聞きに行くとぶちギレられんだもん。やだよ。怖い怖い」

「じゃあ私もぶちギレたら私に聞きに来ないね」

少し意地悪をしてそう言えば " 辞めてよ！勉強聞ける人いなくなっちゃう！！末っ子いじめないでよ二人して " って。

なんだかんだかわいい弟だ。

星「それに勉強以外にも聞きたいことあったし」

聞きたいこと ... ？振り付けとか？

聞きたいことって何？って聞く前にもう私の勉強机に向かって勉強を始めてる星輝の傍による

星「ここの問題なんだけどさ」

見事に数学 ... こいつ私が数学大っ嫌いなこといじってきてんのか。前言撤回するぞ

「数学は私知らないっつの。」

星「大丈夫。これ2年の時のやつだから」

え？いや、え？星輝ってまだ二年だっけ？私まだ高校生だっけ？

星「実はさ、俺3年になったけど2年の時に出し忘れてた課題も一緒に進めないといけないんだよね」

「あほなんか」

よく三年になれたね？すごいよ逆に。手厚いご好意だよ先生たち。

「まって、え、だから皇輝とかママたちに聞けないから私に聞いてきたってこと？」

星｢よくわかったね。さすが姉ちゃん」

「やだよ。自分のせいなんだから自分でどうにかしなさいよ」

星「頼む！！一生のお願い！！」

「あんたそれ10回目。人生何周しとんねん」

私のツッコミも静かに消え去り結局教える羽目に。