003 ページ3
自己紹介が終わると一人一人、第一印象のコメント撮りとなった。
私の頭の中は、正直言って誰が良いとか、
誰が嫌だとかそんな考えはなくて、
私は誰かを好きになれるのかな。
私変われるのかな。
そんな大きな不安でいっぱいで、
待ち時間もラナとさえ話すことはなかった。
そして最後に私は呼ばれた。
カメラがまわるまえに言わなくちゃと思って、
スタッフさんに声を掛けた。
「あの。私、第一印象決まってなくて。」
「そっか。1人じゃなくてもいいんだよ？
気になってる子何人かいたらみんな教えて。」
「そうじゃないんです。誰のことも気になってないと言うか…。
恋とか最近してなくて、そのよく分からなくて。」
私が言うとスタッフさんは少し考えて、
「それでいいよ。今の気持ち素直にカメラに向かって話して。」
私は、今の気持ちを素直に答えて、
なんとか無事にコメント撮りが終わった。
そしてまずは着物に着替えて、お参りをするらしい。
みんな思い思いの着物を着つけてもらい、
お参りに行った。
私を除いて、みんなフレンドリーで
もうずっと一緒にいるように仲良くなっていて、
私はもう取り残されたような感覚さえ感じた。
「Aちゃん！」
「田中くん。」
「違う違う」
「えっ！ごめんなさい。えっと…。」
「そうじゃなくて、下の名前で呼んでよ。」
「うん。樹くん。」
「そう。正解。」
そう言って樹くんは大きな手で私の頭を撫でた。
「樹！みんなで写真撮るぞ〜」
森本くんに呼ばれて、
「Aちゃん、行こう！」
ニコニコの笑顔で笑いかけてくれた。
そしてみんなが並ぶ中心に一緒に入って
肩に手を回してくれて写真を撮った。
樹くんは私が溶け込めていないことを
気にかけてくれる優しい人なんだって思った。
「みんなおみくじ引こうよ！」
コトリちゃんが言うと、みんな賛成と言って
おみくじを引きに向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rika - 初めまして。お話が凄く良かったです。続き楽しみにしてます。 (2020年7月29日 14時) (
レス) id: feb3738261 (このIDを非表示/違反報告)
なほちゃん(プロフ) - 凄いおもしろいです。続き待ってますよ(*^▽^)/★*☆♪ (2018年10月28日 12時) (レス) id: 01f3b783a5 (このIDを非表示/違反報告)
まる - この小説すごく面白いと思います！頑張ってください！！ (2018年6月7日 22時) (レス) id: 28d8240592 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピ | 作成日時：2018年6月3日 13時
