▽ ページ27
最後のシーンが終わると、監督さんが大きな花束を抱えて、私と慎太郎くんの前に立った。
私はあれからも、NGを出してしまったり、かなりご迷惑をお掛けしてしまったことが、頭をよぎる。
すると、フラフラと身体が揺れる感覚になった後体の力がいっきに入らなくなってしまい、硬い地面に打ち付けられた。
私は自分のことなのに今起きてることがわからなくて、パニック状態だった。
「・・・はぁ。っっはぁっ・・・·。」
息ってどうやって吸うんだっけ、そんなことが頭を支配してそこからの記憶がない。
・
・
・
・
「A！！！」
目が覚めた瞬間呼ばれた自分の名前。
身体を起こそうとすれば、私の名前を呼んだ人が身体を支えてくれた。
「大丈夫？俺めっちゃ心配したよ」
彼はそう言うけれど、私の気持ちは
「だ・・・れ・・・？」
この2文字だけ。病室にいる数人の大人たちが誰なのか全くわからない。
「ちょっ。A冗談キツイって」
「····ごめんなさい。本当に分かりません。」
私は彼のことを見ることができなかった。
自分の記憶を一部失ってしまったことを悟った瞬間だった。
気づいたら病院の先生が居て、私の診察をし、
「記憶喪失です。
自分の名前や、ものの名前、ご家族のことも分かっているようですから、何らかの規則性のある部分の記憶が無くなってしまっていることが考えられます。」
「どう言うことだよ」
そう言葉を漏らした彼の名前は先生の診察中、シンタロウさんと言うこと知った。と言うか記憶が上書きされた。
「ねえ、これは誰だかわかる？」
シンタロウさんは、スマホの画面に6人の男性の写真を出して、前髪が目に掛るほど長くて黒髪の男性を指さしめ聞いてきた。
「すみません。わかりません。」
「じゃあ、これは？」
緑の髪の人、シルバーピンクのような人、
黒髪に赤メッシュの人、目尻をくしゃっとさせて笑う人、それにシンタロウさんが写った写真だったけど、誰一人わからなかった。
「こいつ、昨日までAと仕事してたんだよ。」
って最初に指さした彼をまた指さしたシンタロウさん。
シンタロウさんは落胆した様子で丸椅子に腰を下ろした。
そんなシンタロウさんの耳元で、先生は何かを話した。
そして、またスマホを見せてくる。
「この方はわかる？」
涙ボクロが印象的な少し年上の男性だった。
私は先程と同じように首を横に振ることしかできない。
「タッキーのことも忘れちゃったか・・・」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わん(プロフ) - 滴さん» 細かい所まで読んで頂きありがとうございます。 (2021年2月17日 21時) (
レス) id: 9bd4ec93f8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読みました。 沢山のいやほとんどの直しを言ってしまいすみませんでした｡｡｡ (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 黒×紅一点×貧血ページ50のここの部分 「ほっくん開けて。」なんてペットボトルを差し出し、珍しく甘えくる○○←名前 これてが抜けてませんか? 正しくは甘えてくるではないんでしょうか？ (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 黒×紅一点×貧血ページ49のここの部分 目いつぱいに涙を貯めて、ちょっと瞬きしたら零れてしまうほど。 これ正しくは目いっぱいに涙をではないんでしょうか？ (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
滴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 黒×紅一点×貧血のここの部分 「おはよー」って、言ってくれるだけで様子がおかしいのは明らか。 これ正しくは言ってくるだけでではないんでしょうか？ (2021年2月17日 13時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピ | 作成日時：2021年1月17日 20時
