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体調も良くなってきて、病室ですごすのも退屈だから、病院の中庭に向かった。
お母さんが持ってきてくれたお気に入りの本を持って。
中庭のベンチに座り、読書を始めると、
賑やかな声が近づいてくる。
「大我大丈夫かよー。心配させんなよ！」
「ますます色白になってんじゃん。」
「そんなことないだろ〜」
車椅子に乗った少年は足が包帯でグルグル巻。
その少年をお見舞いにきた友達2人だろうか。
「こんにちわ〜」
お見舞いに来ていた一人の少しチャラチャラした子が声を掛けてきた。
「樹、いきなり止めろよ。びっくりしてんじゃん。」
もう一人の少し大人っぽい男の子が言った。
「俺、田中樹。希望ヶ丘高校2年。よろしく。
こっちが京本大我。骨折して入院中だから
仲良くしてあげて。」
「よ、よろしくお願いします。
わたしは、白石Aです。朝日ヶ丘高校2年です。」
「おっ。Aちゃん。俺らタメじゃん。よろしく」
田中さんは大きな手を差し出してきて、
ちょこんと。わたしはその手を握った。
「俺は松村北斗。よろしくね。」
彼もやっぱり大きな手を差し出してくるから
やっぱり、ちょこんと手を握る。
大きな手は安心感があって、ドキッとした。
これが彼との出会い。
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作者名：ピ | 作成日時：2017年12月17日 18時
