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頭も身体も、パラパラ散って跡形もなく消えた。これが鬼に対しての仕打ちなのだろうか。


あの鬼の表情は何故か頚を切られたというのに安らかだった。

俺達は、ずっとそれを見つめていた。




…俺達を助けてくれた人が、こちらに来て目の前でとまった。



いくら人間だったから、と言って全てを許せる訳じゃない。
仮に同情できたとしても、俺達の思いは一人一人違う。その思いを突き通すことは多分俺にはできない。



でも、あの子の唯一の亡骸を踏みつけにしたのには、助けられたとしても

確かな怒りを感じた。




「人を喰った鬼に情けをかけるな。

子供の姿をしていても関係ない。

何十年何百年生きている醜い化け物だ」


…醜い、化け物。


「殺された人たちの無念を晴らすため、これ以上被害者を出さないため…

勿論俺は容赦なく鬼の頚に刃を振るいます。


だけど鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない。

『鬼は人間だったんだから。

俺と同じ人間だったんだから』


足を退けてください。

『醜い化け物なんかじゃない。

鬼は虚しい生き物だ。

悲しい生き物だ』」


俺は炭治郎ほどではない。
でも、自然と口が動いていた。


「…俺もそう思います。炭治郎と考え方、感じ方は少し違うけど。

確かに貴方の言う通りかもしれません。
だけど、踏みつけにするのは絶対に違います。

その子だって生きていた。
その子だって人間だった。

確かにここまで来るまでに殺されてしまった人、隊員達の事を思えば、その子は重大な罪をおかしました。

俺は炭治郎みたいな考え方は、完全にはできない。それでもきっと、


貴方のやっている事は間違いだ。」


小難しそうにこちらを見つめてくる。俺と炭治郎はその人の曇っている目を見つめた。



だから少しの変化に気づけた。

目を見開き、炭治郎の方を見つめ出したことを。









「お前は…」








―後ろから勢いよく風が運ばれてくる。

すぐさま身体に感じる風向きの違和感。


俺はすぐに炭治郎と禰豆子ちゃんのことを守る体制に入る。



―刀を抜く音。


隊服が擦れて音が出る。目の前にいた人が身体全体を使って俺たちを庇った。


ガキュイン!!

真上から聞こえてくる刀がぶつかり合う音。


やっぱり、後ろから誰か来てた



「あら?
どうして邪魔するんです冨岡さん」

「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか。
そんなんだからみんなに嫌われるんですよ」

*→←すまねえ、雑談だ!



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um(プロフ) - そうですかありがとうございます! (2020年7月27日 22時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - umさん» 下のコメントの続きです。あと、私も文章能力があまり良くないので、描写などが上手く書けていない所も全然あります。そこでストーリーを勘違いさせてしまっていたらすみません!上手く言えていなくてすみません。わざわざコメントありがとうございました! (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん 極細(プロフ) - 違うアカウントから失礼します!(このアカウントはもう使えなくなってしまったので…中の人は同じです)ここの場合、柱合会議は歌い手様がストーリーに少し影響を与えている為、一部のキャラが協力的だったりしています。続きます。 (2020年7月27日 22時) (レス) id: d5543b7af3 (このIDを非表示/違反報告)
um(プロフ) - コメント失礼します!柱合会議の感じが違うと思うのですが………… (2020年7月27日 21時) (レス) id: 00ce3b9bd5 (このIDを非表示/違反報告)
筆ペン屋さん(プロフ) - 火白.さん» 遅くなってすみません、ちゃんとレス出来ていませんでした。このコメントの下のコメントが返信です。 (2020年4月13日 12時) (レス) id: 51416204c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:筆ペン屋さん | 作成日時:2020年3月28日 1時

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