快刀乱麻を断て！！弐 【鬼滅の刃】【浦島坂田船】

＊ ページ49

「……うぐっ…」

ぐさり。と突き刺さってきたその正論は、俺の心を突き抜けるほどの威力だった。
慌てて心臓の方をさすり、必死に堪える。
センラに言いたかったことも、あの一言だけで、バーンと粉々にされてしまった。

「…図星やな？」

俺の悶絶している姿を見て、ようやく罪を受け入れたか。とでも言わんばかりにニヤリと笑う。


さっきまでお互いが思い思いに喋っていたのに、それが全く嘘に思えるような沈黙が流れた。
騒ぎが終わったんだな。と悟ったまーしいがコソコソとこちらに近づいてくる。

俺らにビビるのはええんやけど、あなたも充分すぎるぐらいに怖いし、中身三十歳超えとる大人やで。うん。ギャップ萌えにも程がある。




「…で、どうするつもりやったん？坂田。ちゃんとした計画も立ててないんやろうし、どうするつもりやったん？」

まーしいがまた俺の後ろに隠れたあと、センラが腕を組み、憐れむように俺の顔を見つめてきた。
やめろ何やその顔！通常運転しながら真面目にやるのやめい！


「……なんも考えてなかった…なんかすまん…」

心の中でツッコミを入れ終えた俺は、センラに向けて、こう言った。
口をモゴモゴしながら、ちょっとだけ声は小さめ。
正直、自分がした事がまぁよく考えてなかったな。とは思うけど、すんごい悪い事をした。と言う気持ちではない。センラは何をそんなに怒っているのだろう。




「……………すまんとかスマンとか!!!もうホンマになんなんこいつら!!!!善逸の野郎は
『あっ、ごめん、ちょっとサボるからアオイちゃんには内緒にしてて』って言いながらどっか行きやがるし、坂田の場合はこれか!!!

もうホンマにみんなやる気ないやろ!!!主に善逸が!!!
あいつ饅頭食いながら『今日もお願いな』って、はぁ？今日もお願いねって!???なんなんや善逸!!!!舐めとるやろあいつ!!!
うあああああっもう許せれん!!!もう許せれん!!!

『いつかはやるよ』『自分で頑張るから』って言ってる奴殴りたくなるもん!!!あああああぁぁぁっアア！！！」



俺がセンラに向けて返事を返した後、センラは口からマシンガンの玉のように主に善逸に向けての文句を言い放つ。


全部聞いて分かったよ。ああ、自分巻き込まれてんなぁって。

まーしいは相変わらず怯えてるし。
なんだこれ。




俺は巻き込まれたと思いながらも、センラから言われた言葉を思い返す。
現に八つ当たり、みたいな感じはするけれど、やっぱり思い返してみると、言葉自体は正論だった。

続編……→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す