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隣に座った女はバーテンダーに｢いつもの｣と言うと、改めて俺の顔を見た。
｢イルミ、私が誰だか分かる？｣
｢A｣
｢正解。まあ待ち合わせしたから当然か｣
今迄電話越しに聞こえてた短い笑い声が、隣で聞こえた。
｢イルミは思ったより若いね。何歳なの？｣
来たカクテルを一口のみ、Aは聞いてきた。
｢18。そう言うAは俺が思ってた倍くらい若いんだけど、喋り方で騙されたかな｣
｢なんだ、私の方が年下なんだね。私は17｣
｢雰囲気に貫禄ありすぎるんじゃない？若いけどさ、全然17には見えない｣
｢イルミもだよ｣
Aの一つ一つの動作に品を感じた。グラスを持つ手や伸びた背筋、薄くあがる口角は、おそらく多くの男を魅了してきたのだろう。
｢ねぇ、何で俺と会おうと思ったの｣
｢そうだね…やっぱり興味かな。イルミ･ゾルディックという人物と、私の生活の要のお得意様はどんな顔をしてるのだろうっていう｣
｢何、君は俺しか客がいないの｣
｢そんなことないよ。お得意様ってだけ。今日だってこれから仕事だって伝えてあるでしょ｣
Aはそういうと、持っていた鞄から見慣れた封筒を取り出した。
｢お待たせだね。これ今回分｣
｢うん｣
Aから封筒を受け取り中身を確認する。相変わらず優秀な報告書に目を通していた。
｢いつも思うんだけど、これだけの情報量普通じゃ手に入らないよね。もしかして君の念能力？｣
｢さあね。これは企業秘密ってやつだよ｣
｢念能力について聞き返さなかったってことは念能力者なのは合ってそうだね｣
｢ありゃ、バレちゃった｣
フフっと彼女は口角をあげる。そこにバーテンダーが｢あちらのお客様からです｣と彼女が飲んでいるものと同じカクテルが運ばれてきた。
｢いる？｣
｢いらない｣
｢これから仕事なのに、あまり飲めないよ｣
そう言いながらAは2杯目のグラスに口付けていた。
｢情報屋の仕事、こんな時間からもやってるんだ｣
｢いや、別の仕事｣
｢副業？｣
｢そんなとこだよ。気になる？｣
｢まさか。俺は君の情報屋としての仕事にしか興味ないよ｣
そう言うとAはゆっくりと立ち上がった。
｢冷たいなぁ。機会が合えば、今度見せてあげるね｣
じゃあ、といつの間にか飲み干したグラスの横に金を置き、扉に向かって歩いていた。扉に手をかけ、
｢またね、イルミ｣
と言って出ていった。
これがAと初めて会った記憶だ。
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カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか？楽しみにしてます…！ (8月28日 23時) (
レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます！好きすぎになって頂けて嬉しいです！頑張りますので、どうぞご期待ください！ (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます！！！更新頑張ってください！！ (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます！感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します！ (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2022年11月13日 1時
