[1]出会い ページ3
俺がAと出会ったのは18歳のときだった。
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いつも使ってる情報屋がたまたまその時連絡がつかなく、別に急いでは居なかったが、巷で最近噂の情報屋に依頼をした。
その情報屋はメール依頼のみで、メールに調べて欲しい人物や地名、建物名を住所と名前と共に書いて送信すれば、3日以内にその情報が家に届くという。
ただし届くのは稀で、3日以内に届くことがなければ俗に言う〈ご縁がなかった〉ということらしい。
馬鹿馬鹿しいとは思うが、情報の内容は事細かく他では手にできないようなものであると言うので興味本位で送った。
いや正確には、届く自信があった。俺の名前を書けば。
結果は言わずもがな、その日の夜のうちに届いた。
ただ、記載した住所にではなく、出先の俺の元に直接。それも奇妙な形で。
青白い炎に包まれた鳥が、封筒を上から落とすと一瞬にして消えたのだ。
中身を確認すれば今日出した依頼の報告書であった。
内容は噂通り、今まで使っていた情報屋が馬鹿らしく思えるくらい俺の満足を充たすものであった。
最後の一文には、〈振込先は電話にてお尋ねください〉と一緒に番号が書かれていた。
こいつは今後利用していく価値がある。
すぐさま書かれていた番号に電話をした。
長く続くコール音に若干イラつきつつも、ガチャという音と共に聞こえてきた声に少し驚いた。
『はい、もしもし』
若い女の声だった。
『へぇ驚いた。情報屋って女だったんだ』
フフッと短い笑い声が聞こえた。
『イルミ・ゾルディックさんですか』
『うん、そう』
『まああなたにしか番号教えてないので、あなただって分かってましたよ』
『そう。やっぱりファミリーネーム?』
『んー、そうでもあるし、イルミさん自体にも興味あったかな。
かの有名な暗殺者さんはどんな人なんだろうって』
女の一言一言が、携帯の向こうから吸い込んでくるような不思議さを纏っていた。
『ふーん。で、報告書なんだけど。
今まで使っていたとこよりも優秀そうだからさ、今後も使っていきたいんだけど。そうだな…報酬は良い値出すよ。そのくらい気に入った』
そう言うと、向こうからまた短い笑い声が聞こえた。
『いいですよ、ゾルディックさんなら報酬にも期待できそうですし』
『随分あっさりだね。まあいいや、名前は?』
この時はまだ、ただ俺の家に興味あるやつとしか思わなかった。
『A』
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カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか?楽しみにしてます…! (8月28日 23時) (レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます!好きすぎになって頂けて嬉しいです!頑張りますので、どうぞご期待ください! (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます!!!更新頑張ってください!! (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます!感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します! (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮 | 作成日時:2022年11月13日 1時