｡・:＋° ページ12
｢何だ｣
不敵な笑みを浮かべるクロロから、Aは目を逸らした。
｢何もないよ｣
｢そうか｣
クロロはフッと短い笑みを零し、Aを見つめ続けた。
｢こんなところでAに会えるとは思わなかったな｣
｢…嘘つき。クロロはこの街に入った瞬間から私がいるって分かってたでしょ｣
｢ほう、何故そう思う｣
｢クロロだから｣
｢フッ…秘密だ｣
暫くの沈黙が続いた。撫でる風の音と、店の中の音だけが響いていた。
｢…仕事は順調か｣
口を開いたのはクロロだった。
｢楽しいよ、どっちも｣
｢いつでもクビになっていいように蜘蛛の席は空けとかなくていいのか？｣
｢言ったら空けといてくれるの｣
｢嫌なら旅団よりも俺の女の席を空けておいた方がいいか？｣
｢それこそ言って空けてくれるんだ？｣
｢冗談さ。本気にするな｣
相変わらず何も変わらないAの横顔を見て、クロロはニヤついた。
｢お前はやはりわかりやすいな、緊張してるのか｣
｢…どうしてそう思うの｣
｢耳が赤い｣
クロロは目の前の髪で隠れているAの耳をそっと出した。
｢クロロは何でもわかるんだね｣
｢何年一緒に過ごしてきたと思ってる｣
バレたことで拗ねてしまったのか、Aは手すりに両腕を預け顔を埋めた。
｢どんなに大人びても、Aは昔の癖が抜けないな。
可愛い"妹"だ｣
その言葉にAは一瞬ピクっと動いた。
｢…いもうと｣
｢ん？なんだ｣
Aは起き上がった。その顔はいつも通りで、耳も赤くなかった。
｢…戻るか｣
｢うん…先戻ってて。もう少し風を浴びていたい｣
｢そうか｣
クロロはAを撫で、中に入っていった。
｢もういいよ出てきても。ヒソカ｣
Aがそう言うと、どこから出てきたのか、フェンスにヒソカが立っていた。
｢いつから気づいてたんだい？♡｣
｢最初からだよ｣
ヒソカはフェンスから降り、Aの隣に寄った。
｢初めて知ったよ。Aは緊張すると耳が赤くなるんだね｣
｢さあね。
それよりクロロと知り合いだったんだね、ヒソカ。私じゃなくてクロロを追いかけてきたんでしょ｣
｢ボクの方が驚きだよ。君、クロロの妹だったなんて｣
｢……血の繋がりはないよ。
流星街で死にかけてた所をクロロに助けてもらった、クロロにとって私は妹みたいだって話さ｣
ヒソカが眺めたAのその横顔はいつもと変わらない。ただ、耳をいじるその姿は、初めて目にするものだった。
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カノン(プロフ) - もう更新はされないのでしょうか？楽しみにしてます…！ (8月28日 23時) (
レス) @page30 id: cb9945ccdc (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - みるきさん» コメントありがとうございます！好きすぎになって頂けて嬉しいです！頑張りますので、どうぞご期待ください！ (2022年11月20日 0時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
みるき(プロフ) - ……好きすぎます！！！更新頑張ってください！！ (2022年11月19日 23時) (レス) @page7 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
宮(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます。そして応援ありがとうございます！感動したというお言葉を頂いただけで泣きそうになっちゃいました。こちらこそ、作品を読んで頂きありがとうございます。これからも応援よろしくお願い致します！ (2022年11月19日 22時) (レス) id: 9293aae5a3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - すみません。勢いのあまりに少し誤字をしてしまいました。気にしないでいただけると嬉しいです💦🙇♂️ (2022年11月19日 20時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮 | 作成日時：2022年11月13日 1時
