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聞きたかった事を一通り聞き終え、メモに記したニュートの頭にはある案が浮かんだ
だがそれを言って良いのか悩んで口を噤む
そんなニュートの様子にAは気が付いて、小さく尋ねる
『どうしましたか…？』
「あー、うん…その……」
その問いに言葉が繋がらず途切れるばかりのニュートだが、そんな彼を急かす事なくただただ静かに待った
本当なら開心術も使う事は彼女にとって容易いのだが、それを使う事なく次に出る言葉を待つ
彼女にとってそれが当たり前なのかもしれないが、ニュートにとってはそれがとても安心出来て落ち着けるものだった
彼の周りの人間は言葉に詰まるニュートを苛ついたように急かして次の言葉を早く早くと望む
また、待ってはくれているのだが、その沈黙がひどく気まずい
だが彼女だとその沈黙は柔らかくて温かく包み込んでくれていて、急がなくて良いとすら言ってくれているような気がする
そういった雰囲気を感じ取った
ニュートは自分を落ち着かせるために一旦深呼吸をして、決心したようにAの方を向く
そして不安を和らげるためなのか、彼女の両手を掬い上げて握りながら口を開き始めた
「前も言ったけど、僕は動物を保護して育てて、それが人間の間でも理解が広まるように本を執筆している」
「そして今居る動物以外にも保護すべき動物が沢山いるんだ。実際に僕の知り合いが情報提供をしてくれて、それをする事になっているんだけど…」
「そのためには、世界各国を回る必要がある。まだ僕はその通過点に居るに過ぎない」
「でもそれを成し遂げるには僕は知識不足なんだ。安心させるためのツールも持ち合わせていない…」
そこで一旦言葉を区切って、再度大きく息を吸う
その間もAは静かに見守っていた
「だから、Aの力を貸してほしい…！…お願い、出来るかな……？」
ぎゅっと目を瞑ってAの口から出る答えを待つ
意思を伝える事が苦手な自分の意思が精一杯伝わるように
「！」
ほんの数秒の間があった後、ニュートの手に極僅かな力が伝わった
目を開けると、いつも俯いている彼女の顔が心なしか上がっていて、目が合っている気がした
『スキャマンダーさんが望むのなら…』
「それって…」
ニュートが聞けば彼女はコクリと頷いた
その反応にニュートの表情は徐々に喜びの色を浮かばせ、優しく微笑んだ
「ありがとう」
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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。まだペルセルトちゃんの笑顔が見れてないので、いつか見れるといいなと思いました！とても気になるお話で、続きを楽しみにお待ちしてますね！ (2020年11月20日 22時) (
レス) id: 5e6f4aeb76 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Abe(プロフ) - すごく面白いです！ (2019年10月16日 1時) (レス) id: a5df0a293e (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 面白いです。文に奇想転結があって頑張ってください (2019年9月4日 3時) (レス) id: 24833da0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年7月15日 18時
