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ニュートは足を抱えて座るAの手をチラッと見る
先程見た長い爪や、それによって切られた傷痕は綺麗さっぱり消えていた
「Aってさ、薬とか作れるの？さっきドゥーガルの傷を治してくれたから気になって」
『…まぁ、はい……魔法でも治ったんですけど、折角持って来てくれていたので…』
「あの葉っぱって、そもそも薬草なの？」
尋ねてみると、Aは申し訳なさそうに小さく首を横に振る
その反応にニュートは首を傾げた
『薬草では無いですが、葉が厚くて酸味があったんです。水分も多く含んでいるし…』
「言われてみれば、あの葉っぱそうだったかも…」
ニュートが生えている葉を食した事があるという普通なら驚かれる事実はこの場では疑問とならなくてスルーされる
「って事は治癒成分は主にAの…？」
『…はい。
血もそうですけど、我々の涙などの体液や毛、肉、骨の髄に至るまで…工夫すれば特効性の万能薬になります』
それで、それを風の噂で知った人間が人間に話を広めて絶滅寸前に至ったと推測する事は容易な事だ
それを彼女がどこで知ったかは知らないが、おそらく言い継がれているのだろう
『ただ…』
「ただ？」
『…液体ならば一滴も誤る事が許されませんし、物体ならば粉一粒間違える事が出来ません。粉にする際の砕き方も、肉の削ぎ方も、大きさも断面も…
それに、生き物によって量が変わるので…』
とにかく扱いの難易度が他に比べて遥かに高く、並大抵の人間がが勝手に扱うのは不可能と遠回しに知る
そしてニュートは聞きたくなる
誤った時に訪れるデメリットを
「もし、間違えたら…？」
『…毒です。骨まで溶ける事もあれば、毒を飲んだようになる事も…
良くて死ですし、悪くて一生涯死にたくなる程の痛みや苦しみが伴います…』
「良くて、死？」
『…人間だったら苦しむ間も無く死んだ方がまだマシだって思うでしょうから』
大きなメリットがある反面、あり得ないほど大きなリスクとデメリットが存在する
その事実にニュートはやけに納得した
ペルセルトという生き物は、大体の動物を守り守られる存在で、どの動物から狙われる事なく生きられる存在であった
何故ならば、このデメリットを動物達は本能的に知っていたから。でも恐れられないのは彼女らペルセルトという生き物の大き過ぎる優しさがあるから
何かが繋がったニュートの顔は、何処か嬉しそうだった
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時々雨(プロフ) - コメント失礼します。まだペルセルトちゃんの笑顔が見れてないので、いつか見れるといいなと思いました！とても気になるお話で、続きを楽しみにお待ちしてますね！ (2020年11月20日 22時) (
レス) id: 5e6f4aeb76 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Abe(プロフ) - すごく面白いです！ (2019年10月16日 1時) (レス) id: a5df0a293e (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 面白いです。文に奇想転結があって頑張ってください (2019年9月4日 3時) (レス) id: 24833da0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年7月15日 18時
