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私の声なんかに耳を傾けなくて良い
私の気持ちなんか知ろうとしなくて良い
そんなの聞いたって気分が下がるだけ。気を遣わせるだけ…
「…お前は、誰かにそれをやられたら、迷惑なのか？」
『そんなことありません』
「それは、他の人もみんな一緒で…」
『そうじゃ、ないんです。
ただ、私なんかに時間を費やすのは、迷惑でしょう？
ただでさえ、自分のことで精一杯な筈なのに、
余計なことに時間を使うなんて…』
本当に、勿体ない
最後まで言いはしなかったけど、先生には伝わってしまったらしく
再度、手に力が籠った
それでも先生の瞳は強く真っ直ぐ向いている
「それは、違う。
大切な人のために使う時間は、絶対に無駄なんかじゃない。
友達でも、恋人でも、家族でも…」
『家族でも…？』
思わず、聞き返してしまった
先生もそこで止めると思ってなかったのか、喋っていた途中で口を閉じて
私が喋り始めるのを待つようにじっと見つめてくる
だって、違うじゃんか
そう思っていると、気付いたら首を横に振っていて
自分で自分の首を絞める羽目になった
『…そうやって、教わったんです。
身を以て体験して、学んだんです。
一回呟いたら、悪化したんだから…そういうことなんでしょう？』
ほんの少し、気が緩んで漏れただけの言葉は
先生の言う通り、拾われた
けど、その拾った人は顔を憎悪を感じたように顰めて、怒った
『口に出したら酷くなる、顔に出しても悪化する…
それはその人にとって迷惑であり、尚且つ、極めて不愉快だから…
逆鱗に触れることはしてはいけない。逆らうことをしてはいけない…
意見を言うことは逆らうこと…』
「違う」
でも先生は、それをきっぱりと否定してた
何度も、お前は正しいことをしたんだよ。間違ったことをしてないよ。でも考え方は違うよ。って訴えてくる
私に伝わるように、何度も何度も
でも先生が何度も伝えてくれても、私の考えは容易に曲がってくれない
目に焼き付いて
耳に錆び付いて
脳に、しっかりとそれが残ってしまっている
『じゃあ何で、状況が悪化したんですか…』
脳で考えるより先に、口が動いていた
…あーあ、先生の時間が勿体無い
さっき、自分で言ったことと矛盾してるじゃんか
そう思っていても口は、まるで自分のじゃないみたいに、止まってくれる気配が無かった
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もちもち(プロフ) - ユイさん» そう言っていただけると、とても励みになります。ありがとうございます！これからも精進していきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 21時) (
レス) id: 31f6343f7f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 一気読みさせてもらいました！言葉の選び方とか全て含めて読みやすいし面白いです！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年4月8日 23時
