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教室から出て、何となく美術室に来た



多分、ここなら他の生徒が来ないと思ってるのかもしれない…






入るや否や、部活のときに使っていた席に座る



景山が遊びに来たときは…机を挟んで斜め前の位置だったなぁ







机に伏せて目を閉じれば、その情景が浮かぶ







……このまま、寝れないかなぁ




そんなことを望んでも意識は一向に落ちてくれない





「A…」





小さく溜め息を吐きそうになったとき、優しくて柔らかい声が鼓膜を揺らした



それに反応して、倒していた上体を持ち上げてからちゃんと座る





それと共に足音が近付いて、隣に立った



軽く椅子を引けば、すとんと座る





「…ネット、見たか?」



『茅野さんが血相を変えて見せてきて…

って、先生はカメラで見てたでしょう?』



「まぁ、な」





隣に座った先生は、こちらに視線をくれている


でも何故か目を合わせることが出来なくて、私はずっと、視線を落として机を眺めていた





『第2波、到来って感じですね』



「…そうだな」





唐突に始まったのに、先生はそれでも反応してくれる





…あの画像や動画



本当によく出来ていた


いや、動画と画像の一部は本物なんだけどね





「心当たりは…?」



『…どうなんでしょうね。

喜志さんが何らかの形で、それを出すように指示したのか、

それともそういうプログラムだったのか…』



「…そう、だよな」





まぁ喜志さんにせよ、ネット上の誰かにせよ


出回ったということは、そういうこと





『こりゃ足首、掴まれましたね…

…表舞台に出れることはもう、無いでしょうね』



「……」





完全に、足首を掴まれて引き摺り下ろされた






いつもそうだ



前を向こうと意気込んで、いざ一歩踏み出すと髪の毛を引っ張られ、足首を掴まれ、引き摺り下ろされる……



折角の勇気や覚悟は全て、無駄になる…






“_アンタなんかッ!!_”



“_お前なんかが居たせいでッ!!_”





先生が隣にいるというのに、急にそんな声が聞こえる


目を開けて前を向くと





それを言っている男女が視界に入る





顔は塗り潰されて分からない


でも怒鳴り散らして、叫び狂っているのは分かる





“_何でお前が生きてるんだよッ!!_”




そんなの…


私だって知りたいよ





でもそんなこと言わないからさ



そんなに、怒らないで…







・〜柊side〜→←・〜茅野side〜



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もちもち(プロフ) - ユイさん» そう言っていただけると、とても励みになります。ありがとうございます!これからも精進していきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 21時) (レス) id: 31f6343f7f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 一気読みさせてもらいました!言葉の選び方とか全て含めて読みやすいし面白いです! (2019年4月11日 22時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年4月8日 23時

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