・〜茅野side〜 ページ44
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返された携帯で見たSNSには、Aちゃんの名前が流れていた
変に盛り上がっていて違和感を感じたから遡ってみると…
未成年がしてはいけないようなことが画像や動画で流れていて、慌てて本人に見せた
Aちゃんはそれを見ると、一瞬驚いたように目を大きく開いて、迷ったように声を出した
『…ハハッ』
「えっ、…」
けどそれは直ぐに終わり、
今度は乾いた声で、笑った
自嘲するみたいに
Aちゃんは手を伸ばしてきて、私の携帯を触る
反射的に手を離してしまって落ちそうになったけど、それはAちゃんの手に収まった
『随分懐かしいのを出してきたなぁ。
この動画、いつのだろ…
撮ってたときだから……もう2年前とか？』
まるでアルバムを眺めるように、懐かしむように目を細めてそれを見る
怒りも、悲しみも、怯えもせず
動揺なんてまるで見せてくれなくて
見せてくれるのは諦めたような笑みと、自身を嘲笑うような乾いた笑い声
考えてることが何も分からないその姿に
少しゾッとした
「…ねぇ」
1人だけが微笑んでる異様な光景に息を呑む中、諏訪さんが話し掛ける
それにAちゃんは顔を向けることなく、画面の方に目を落として返事をした
「もしかしてさ、それってこの間言ってた……」
『…さぁ、どうなんでしょうね』
「どういう、ことだよ…」
今度は甲斐くんが反応する
“この間言ってた”
その意味が分かるのは、彼女と先生を除くその場に居た私と甲斐くんと諏訪さんだけ…
でもそれは否定される訳でもなく、曖昧な返事だった
『…捉え方は、任せます』
「んだよ、それ……」
聞こえるか聞こえないかギリギリの大きさでそう告げた
そしてやっと顔を上げたと思えば、ゆっくりと全体を見渡す
見終えるとAちゃんは、また小さく口角を上げた
『確かに、こんな奴が一緒に居たら最悪ですよね』
そうポツリと呟くと、私の携帯を返してきた
その画面は、コメントで溢れかえっていた
＿＿この間に続いて渡瀬Aちゃんスゲーw
＿＿いくら払えば来てくれるのー？ww
＿＿これ、一緒に居る生徒が気の毒だわ
＿＿クラスにこういうの居たらムリww
そんな言葉で溢れかえっていて、恐怖と悔しさと悲しさが込み上げてくる
…何か言わなきゃ
そう思って顔を上げると、そこにAちゃんは居なかった
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もちもち(プロフ) - ユイさん» そう言っていただけると、とても励みになります。ありがとうございます！これからも精進していきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 21時) (
レス) id: 31f6343f7f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 一気読みさせてもらいました！言葉の選び方とか全て含めて読みやすいし面白いです！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年4月8日 23時
