8日目〜柊side〜 ページ41
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3月10日
「この瞬間をもって、俺の授業は完結する」
突然文字が現れたかと思えば、俺はそう言って屋上に立っていた
そしてそのまま後ろに倒れ……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
意識が浮上する
目を開けると、人影があった
『あ、おはようございます』
「…おはよう」
どうやら、Aが覗き込んでいたようだ
こいつのことだから、俺が魘されてたか様子が変だったからだろうけど…
辺りは当たり前だけど静かな空気が流れていた
ずっとモニターの前に居たんだろうか。
椅子がこちらに向いてるから、多分そうなんだろう
ふと何か足りないのを感じて顔を触る
「眼鏡…」
『モニター前に置いておきました。
寝づらそうだったので勝手に外しました。すみません』
「いや、寧ろ助かる」
そう言って頭を撫でてやると、少し顔を緩ませた
昨日とは違う柔らかい表情に少し安心した
『本当は起こそうか悩んだんですけど、睡眠の邪魔をしちゃいけないと思って…』
「魘されてたか？」
『いえ。
ただ、顔を顰めていたので、夢見でも悪かったのかと…』
夢見が悪かったってのは確かだった
…起こしてくれても良かったのに
『もう少し、休んだらどうですか？みんな、まだ寝てますし…』
「…大丈夫だ。ありがとう」
置いてあった眼鏡を掛けてモニターを見てみると、
Aが言ったように、生徒は雑魚寝をしていた
視線をずらしてパソコンに目をやると、未だ炎上状態
武智大和を叩く内容ばかりだ
あぁ、こういう事だよな…
画面から目を離して、後ろに立っていたAの顔を見る
隈と徹夜後特有の疲労感が少し滲み出ている
「…お前、寝れたか？」
『…寝ようと1回目を閉じたんですけど、ダメでした』
「食欲は？」
そう聞くと弱めに首を振った
その後に弱く笑うものだから、掻き消すようにグシャッと頭を撫でてやる
…昨日の夜のお陰で聞きたい事が増えたからかもな
撫でていた手をAの腕まで滑らせてこちらに引く
すると咄嗟のことに対応しきれない上に碌に食べる事も寝る事もしてないから、すんなりと腕に収まる
『えぇー…』
「あと30分。良いだろ？
それに休めって提案したのお前なんだから」
『…確かに』
そう言ってAは大人しくする
そんなこいつは不安になるくらい軽かった
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もちもち(プロフ) - ユイさん» そう言っていただけると、とても励みになります。ありがとうございます！これからも精進していきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 21時) (
レス) id: 31f6343f7f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 一気読みさせてもらいました！言葉の選び方とか全て含めて読みやすいし面白いです！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年4月8日 23時
