・ ページ30
・
「夕食取りに来たんだけど」
「、そこの段ボールだ…」
入って来たのはモニターでも見た諏訪さんと水越さんで、目があったから小さく会釈をする
そして2人の目に入るのは、少し息が荒い私に支えられた先生
「大丈夫？何か凄い汗かいてるよ…」
「っ、大したことない」
先生は離れて、自分で立つ
そんなときだ
「ちょっと、何ッ！？」
開いたドアから鉄パイプを持った男子が勢いよく入ってきてそれを大きく振りかぶった
あ、やばい
そう思った途端、体は自然と動いて先生の前に立った
＿ガンッ
「何で渡瀬がっ！？」
鈍い音と共にぬるっとした何かが垂れるような感覚になるけど軽傷だ。
そんなの、どうでも良い
「先生、ごめんッ！！」
『うっ、…』
「渡瀬ッ！？」
「退け渡瀬ッ！」
守るべきは、まずは頭
どれだけ後ろから衝撃が来ても
足がお腹に入ろうとも
守るべきは、頭
それから体
包んで隠してしまえば、手は届かない
「退けよッ！」
「おい、まとめて押えろッ！！」
上から何人も圧迫してくる
でも先生が一番圧迫されやすい場所に居る
少しだけ体のスペースを作って息をしやすいようにしなきゃ
あー、上から流れてくるものが垂れそうだ
それは先生の服が汚れちゃうからやだなぁ
顔を先生に回した腕に近付けて拭う
何が輪郭をなぞるのがなんてどうでもいい
「あんた達何をやってんのか分かってんのッ！？」
「もう限界なの！帰りたいのッ！！」
「はぁ！？」
「武智は何もやってない！あんたがそう決めつけてるだけだ！！」
ロックの解除は何処だ？何て声が聴こえたから、リモコンは取られたのだと分かる
あー、取られちゃったか
パソコンの方にも、人影がある
「何してんだよッ！！」
「退けっ！！」
「お前らふざけんなよ！！」
「離せよっ！！」
騒ぎが大きくなってるのが分かる
腕の中に居る先生は息は荒いけど、大分治っていた
でも圧迫されたから顔が赤い
あのスペースを作ったとしても、男子に押さえられちゃ無理か
でも背中に感じていた人の数は減って
痛みに耐えるような声と一緒に重さは無くなった
もう、大丈夫かな
そっと腕を離してから、しゃがんだままの先生の背中を摩る
滴り落ちて来そうなそれを制服で一回拭ってから
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 512人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちもち(プロフ) - ユイさん» そう言っていただけると、とても励みになります。ありがとうございます！これからも精進していきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 21時) (
レス) id: 31f6343f7f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 一気読みさせてもらいました！言葉の選び方とか全て含めて読みやすいし面白いです！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち | 作成日時：2019年4月8日 23時
