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どうしても欲しい色が作れない
求めている色とは微妙に違うものしか出来上がらない
…これは今日も寝かせなきゃいけないのかな
「もう終わりか？」
『行き詰まったので仕方ないで、すよ、ね……』
振り返ったら思ったより先生の顔が近くて、少し吃驚した
その理由である先生は、ん？と首を傾げる
…何て顔してるんだ
私の方を見る先生は、不安そうな表情をしていた
本人は普通だと思っているんだろうけど、滲み出ている
その原因を探してみても見当たらず、
かと言ってそれを聞いて良いのか分からない
どうしたんですか？
その一言を言って良いものなのか、判断が難しかった
「A…？」
『、…』
先生に名前を呼ばれて、我に返ったような気分になる
無意識のうちに手を先生の方に伸ばしていたらしく、宙に浮いていた
この手が、何をしたかったのか自分でも分からない
『…あ、すみません』
「……」
曖昧なそれを引っ込めようとすると、手が包まれる
骨ばった温かい手に
そのまま誘導されるように私の手は先生の頬に当てられた
そして先生はその手に擦り寄る
多分、私自身でも分からない何かを察してくれたんだろう
それか気分
でも私の手に擦り寄っている先生の表情は、さっきとは打って変わって、気持ち良さそうに目を細めていた
…何で今やるんだ
手を出した私も大概だけど、何で今そんな雰囲気出し始めるんだ
異様な目の前の光景にそんなことを思っていると、数秒後にはゆっくりと離された
離した本人である先生は、少し名残惜しそうな顔をしていた
でもそれは一瞬で、顔をパソコンの方に向けてマウスをクリックする
画面には文香さんが映る
彼女が語っているのは、武智先生のこと
端的にまとめると
武智先生の秘密を文香さんが知ってしまった
“豪翔大学の…”
そう言い掛けたところで、画面には警告という文字と共に警告音が鳴る
「！、」
確認すると、諏訪さんと水越さんが美術室に入って来るのが映っていた
「あ゛っ…」
『…座ってて下さい』
鍵を開けようと立ち上がったんだろうけど、痛いのか固まった
先生に手を伸ばして体を支えて椅子に戻そうとするが首を振ったから支えるだけにする
『enterですか？』
「…あぁ、ッ…」
小さく頷い先生の代わりに押せば、解錠音が響いた
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もちもち(プロフ) - ユイさん» そう言っていただけると、とても励みになります。ありがとうございます！これからも精進していきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 21時) (
レス) id: 31f6343f7f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 一気読みさせてもらいました！言葉の選び方とか全て含めて読みやすいし面白いです！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年4月8日 23時
