・ ページ8
・
誰も何も言わないまま時間だけが過ぎていって
気付いた先生が来て教卓に立っていた。
そしてスマホを通話状態にして置いた
「そろそろタイムリミットだ。
まずは、僅かな可能性に賭けて…
フェイク動画を撮った人！！」
先生が手を挙げて名乗り出るように言うけど、朝と同様にそんな人は居なかった
挙げていた手を拳に変えてバンッと教卓に打ち付けた
一瞬、肩が跳ね上がったのは気のせい…
「…仕方ない、
じゃあ刑事さんに当ててもらうか。
刑事さーん、分かりましたか？」
《嗚呼、直前まで迷ったけどもなぁ》
「へぇー。
ちなみに誰と悩んだんですか？」
《熊沢花恋と里見海斗だ》
「おぉ〜、里見とはまた意外ですねぇ」
さっきから先生、なんかわざとらしい…
気がする
《里見は、真壁からジャージを借りていた。彼を更衣室へ案内した大会関係者も見つかった。
里見がイケメンだから覚えていたそうだ。
問題は、どちらがこの動画を撮ったのか…
その鍵を握るのは、袖の汚れだ》
それを聞いて先生は動画を確認する
「あぁ確かに、オレンジ色の染みが付いてますねぇ…」
《恐らく何かが付着して洗ったんだろう。
そこで2人に、その日何を食べたのか聞いてもらった。
その結果、1人がトマトジュースを飲んでいた》
『……』
…連絡をした人が居るってこと？
だとしたら、先生しか…
「トマトジュース？
確かにトマトジュースならオレンジ色の染みが付きそうですね。
…で、その生徒は一体誰だったんですか？」
《…熊沢花恋だ》
クラスのみんなは一斉に熊沢さんに目を向ける
教室が静まり返った
だけど熊沢さんは、あり得ないというような表情を浮かべていた
「違う、私じゃない…
私じゃない！！
私は大会の日はゼリーしか食べないって言ったでしょ…！」
熊沢さんは机に手をついて立ち上がって叫んだ
「え、？
…あッ、そーだった！すまない熊沢！
先生、間違えちゃったよ〜！」
アハハッー！と、先生はわざとらしく笑った
場違いなくらい明るい
ということは、先生が食べたものを聞いたってことで…
つまり、嵌められたわけだ
《おいおい、ちょっと待てよ…
どういう事だ！！》
「刑事さん、
いやぁ、大変素晴らしい洞察力でした。
…しかし貴方は、“内通者” を信じ過ぎた＿＿」
…内通者が、
クラスの中に居る
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 587人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち | 作成日時：2019年3月28日 0時
