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今日はなんか駄目な日


そう思ったのはどうやら正しいようで、進めたいはずの筆がピタリと止まった



もう終わりにしよう。


キャンパスや筆を片付けようとすると、

一瞬、グラッと体が傾いた



咄嗟に近くにあった棚に手を置いて、倒れることはなかった




やけに頭がボーッとする


何処からともなく来る寒気


妙に速い鼓動


歩いているのに変に浮いているような感覚





…うん、風邪引いた


完全なる風邪。

もう、風邪以外の何物でもない。



多分だけど、睡眠不足が原因かな






このこと、バレたら嫌だな





……黙ってよう



放っておけば明日には治ってるだろうし、


これくらい慣れている




平衡感覚が無いながらも美術室に向かい、キャンパスをいつもの場所に戻して、筆を洗う


…水が冷たくて気持ちいい



パレットは水彩画だからそのままにしておく






…一応、先生起こした方が良いよね

監視とかしなきゃいけないし





「A…?」



『あ、先生…おはようございます』



「うん、おはよ」





起こそうとしたときに丁度良く先生が起きて準備室から顔を出す


けど声が少し遠く感じて、視界も若干ぼやけている

風邪を引いてるから仕方ないんだけどね





「起きたら居なかったから、少し焦った」



『ははっ、すみません』



「…もう、絵は良いのか?」



『はい。また後でにします』



「そうか…」





そういうと先生は、自身のスマホを取り出して操作し始めた


良かった、まだバレてない




胸を撫で下ろしていると、先生は目を大きく開いて、バッという効果音が付きそうなほど素早く顔を上げてこっちを見る





「A、これ…」





先生がそう言ってこっちに来て、画面を向けて見せてくる


確かこの画面は、MIND VOICE





そこに添付されているのは




私がお酒を飲んでる画像や、たばこを吸っている画像


そして



裸の状態になっている画像だった


モザイク掛かってるけど顔は完全に晒されていて、ご丁寧にフルネームまで載せられていた





「1枚目と2枚目が合成なのは分かってる。
ただ、最後のやつは…」



『本当のやつですね』





先生が瞳を揺らした


でも表情は少し怒っている…ように感じた




クラスメイトにバレるのも時間の問題だなぁ


きっとネットも炎上するだろうし…





なんか今日は、とことん落ちる予感がする







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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月28日 0時

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