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「翔もなんか言ってよ」





助けを求めるみたいに、熊沢さんは真壁に話を振った


だけど真壁は気まずそうな顔をして黙っている





「何で黙ってるの…?」



「…お前が景山を嫌ってたのは、事実だろ」



「なにそれ…あんたも疑ってるんだ…

マネージャーのあんただって更衣室に入れるでしょ!?」




自分の分のおにぎりを取りに行った真壁に熊沢さんが掴みかかるが、

真壁は何事もなかったかのように席に戻った





「なになになになに、まさかの新たな容疑者?」



「ってことは、2人のどっちかが犯人ってこと?」





また話が傾いた


クラスの空気が明らかにその意見に飲み込まれていた





「…ジャージだけだ判断するのは危険だと思う」





けど、宇佐美さんがそれを否定するように新たな意見を述べる


静かに、ボソッと呟くようなものだったけど

ハッキリと耳に入るようなものでもあった


でもそれをバカにするように諏訪さんは鼻で笑った





「普通に入ってきたんですけど」



「よく居られるよね」



「元はと言えばあんたが全部悪いのに」



「、あんたが動画をアップしなきゃ…澪奈が自 殺することもなかったし、私達がこんな目に遭うこともなかった!!

え?ねぇ、それ分かって言ってんの…?」





宇佐美さんを責める中で、水越さんのものはヒステリックだった


机を退かして音を立てて、恨みを込めた目で宇佐美さんを睨みつける



…手は出してないから、昨日より多少落ち着いているようだ


でも、それでも…

元々無かった食欲が更に失せる感覚がした



でも一方の宇佐美さんは責め立てられているのにその声を遮断して、魚住さん達の方を見た


でも2人はその視線から逃れるように、気まずそうに目を逸らす





「…あ、そゆこと」





何かを察したように呟いて、宇佐美さんは教室を出た


だけどその後に茅野さんもその後を追い掛けるようにして出て行った。



あぁ、なんかなぁ…


机に額を当ててグリグリと押し付けてモヤモヤとした何かを揉み消そうとするけど、一向に気分は晴れない





…なんか、絵が描きたい


そう思って立ち上がり教室を出ようとするけど、背中に沢山の視線が刺さる




さっきのモヤモヤが増した気がした


肺に煙が溜まるような感覚





教室とは違う空気が欲しくて、沢山の視線に耐えながらも

あたかも普通に見えるように廊下に出る




…美術室に行く勇気すらも失せてしまった







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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月28日 0時

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