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時計を見ればあと少しで8時になる時間帯だった



甲斐くんは一向に喋る気配が無く


それに対しての焦りからか甲斐くんを責める男子と

庇う男子で揉め出した



机も椅子も巻き込んで、音は更に大きくなり

思わず耳を塞ぎそうになる





「楽しそうだねぇ!

俺はここで、高みの見物をしてれば良いのか?」





そんなときに先生がドアに寄り掛かって掴み合っていた男子達を見る

…少し顔色が悪い



そんな先生が来たと分かった途端、ドア付近に居た人達はそこから遠ざかり



揉めていた原因である甲斐くんは先生を睨みながら立ち上がる





「…だったらてめぇが相手になれ」



「あぁ?」



「誰が動画いじったか知りてぇんだろ?
お前が勝ったら洗いざらい吐いてやるよ。

ただし、俺が勝ったら全員を解放しろ」



「これまでの戦歴を見れば、お前に勝てる見込みはなさそうだけどなぁ?」



「調子悪いんだろ?さっきから脂汗かいてんぞ

今のお前ならサルでも勝てる」





…そういえば先生、少し痩せたな


笑ってるからそう見えるのかもしれないけど

頬骨が前より浮き出しているように見える





「良いだろう」





そう言って先生はメガネを外し、教卓にパソコンを置いてその上に上着を被せた


…スマホの画面が通話中になっているのが見えたけど、黙っていた方が良さそうだよね





「お前に勝って、フェイク動画の黒幕を暴いてやる」





そう言って先生は作られたスペースで甲斐くんと向き合い、戦う姿勢になった


本来ならそんなこと言わなくてもみんな把握している


わざわざ言ったのは、

さっきの通話相手に知らせるため…?





「甲斐!」



「攻撃のリズムが良いねぇ!流石ダンス経験者」



「バカにすんじゃねぇ!」





気付いたらそれは始まっていて、先生は殴りかかる甲斐くんを避けて背中を蹴る





「筋は良いがまだまだ青いなぁ」





…もう先生さ

アクション俳優目指してたんじゃなくて、やってたんじゃない?



そんな中、視界の端で茅野さん達が頷き合ってるのが見えた


あぁ、こっちもこっちで作戦実行するのか

…ドアノブには気を付けて欲しい





「うっ!」





そんな呻き声が聞こえて視線を戻せば

甲斐くんがお腹を押さえて前屈みになっていた。


先生の手は拳が作られていて


先生が殴ったのだと容易に想像出来た




…あんまり見たくない






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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月28日 0時

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