【3年A組】杭は出なきゃ打たれないはず 2【今から皆さんは人質です】 (ページ17)

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今日も先生の授業が始まった

…無駄にフットワークが軽い

何故か、少し不安になる

「さぁさぁ！今日も張り切って、授業をこなしてもらおうかぁ！

みんな心の準備はいいかー？」

まずは里見の証言を思い出してみよう。

そう言って先生は、昨日里見くんが言ったことを喋る

フェイク動画を加工したのも、宇佐美さんのカバンにDVDを入れたのも里見くんではないという証言だ

「つまり、里見に動画を撮らせた生徒がいるってことだ」

「その犯人を捜せってことですか？」

「ピンポーン！」

無駄に元気に先生は言う

何か、変

「先生、それが分かったら私達は自由になれるんですか？」

「そいつが全ての元凶ならな。

さぁ、我こそはと思う人…

はい手ェ挙げて！！」

「だから、名乗り出るわけ…」

「俺だよ」

今日も手は挙がらないとみんなが思っていた中、

名乗り出る者がいた。

みんなが一斉に声のした方を向けば

手を挙げていたのは

「俺が里見に動画を撮らせた」

甲斐くんだった＿＿

…意外、と言えば意外だ

だって、接点が見当たらない

「お、おい甲斐、

いくら何でもそんな嘘…」

「嘘じゃねぇよ。

里見が景山にフラれたって聞いて、話を持ち掛けた」

それぞれ、信じられないというような表情を浮かべる

冗談めかして言った石倉くんも、笑ってはいなかった

更に、DVDをカバンに入れたのも甲斐くんだそう

「じゃあ今までの全部芝居だったのか！！」

今にも掴みかかりそうな勢いで甲斐くんに怒鳴る兵頭くんを石倉くんが止める

「騙される方が悪いんだよ」

そう言う甲斐くんは見下すように兵頭くんを見るけど、その表情は何か違う

「もういいだろ、俺達をここから出せ」

「動画を加工したのは誰だ？」

「…俺に決まってんだろ？」

「あれはかなり精巧に作られている、素人には無理だ。

お前が里見に話を持ち掛けたのは本当だろう。
でも、まだ、黒幕がいる…

俺はそれが知りたいんだ。

それとも、何か教えられない事情でも…あるのかな？」

そんなものあるわけない。と言う甲斐くんは、どこか怯えた目をしていた

いつも通り、時間制限は夜の8時まで

それまでに言わなければ

犠牲者は、10人

「甲斐！お前がどんな選択をするのか楽しみだよ！

Let's think」

…多分、先生は黒幕の見当がついてる

と思う

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