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「キャァァァッ！！」
ルールはルールだ
「何で銃なんか持ってんだよ！！？」
それ以上でもそれ以下でもない
《柊、一体何をするつもりだッ！？》
ルールに例外は存在しない
「言ったはずですよ！
間違えたら、5人の命が犠牲になるって！！」
先生が誰も殺さないのは分かってる。理解している。
けど、それを向けられると…
「今から呼ぶ5人は、隣の美術室に来い！！
それ以外の者は教室から出るな！出たら命の保証はない！！」
『…っ、は……』
…まずい。
周りの声が遠くなる
空気が肺にあまり入ってこない
だめだ、見つかったらだめ
みんなそれどころじゃない
周りの人にバレないようにしゃがみ込む
『…っう、ぐ、っ……』
落ち着け、大丈夫
胸辺りをギュッと握って、呼吸しようと
何度も、何度も繰り返す
辺りが静かになった
里見くんが何か言ってる
…大丈夫
まだ、誰もこっちを見てない
『は、っ……はぁ…』
…大分落ち着いた
もう、大丈夫
見なかったら平気だ
「良いだろう、残るは4人だ」
机に体重をかけてゆっくり立ち上がる
みんなはまた、ざわつき始める
残るは4人…
1人は…里見くん？
聞こえなかったけど、多分喋ってたときに立候補したのかな
…大丈夫、死ぬ訳じゃない
「瀬尾雄大！
堀部瑠奈！
西崎颯真！
結城美咲！」
教室内は阿鼻叫喚
泣き叫ぶ声が耳に残る
《柊！バカな真似はやめろ！！
お前のやってることは矛盾してる！！》
「矛盾？何がですか？」
《お前はただ、殺された景山澪奈の復讐がしたいだけだ！！
それこそ負の感情以外の何ものでもない！！》
「それはまだ刑事さんに全貌が見えてないからですよ！
いつか、生徒達は分かってくれるはずです」
《ふざけるな！！》
…先生は多分、景山の復讐がしたいんじゃない
もっと大きな、
国規模の…
下手したら世界規模の何かに対して何か向けているのではないか
大袈裟だけど
それが、景山を通して伝えたいことだとしたら…
「…来い」
教卓の前に一列に並ばされた5人は泣きながら重い足取りで廊下に出た
最後に里見くんが出ると、先生はドアを閉める
それは私達を隔てるもので、無慈悲な音がして
＿ドォォォォン！
その後に響いた爆発音に
心臓が一つ、嫌な音を立てた
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作者名：もちもち | 作成日時：2019年3月28日 0時
