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「何だよこれ!?」



「早くしろよ!!」





警告音と電流に驚いて慌てふためく男子達を嗅ぎつけたように


再びドアが音を立てて開いた





「ざんねーん!!」





そう言って入ってきたのは先生だった


え、鉄パイプ…

何で先生が持ってるの。


あと何で頭から血、流してるの

足元フラフラしてるし…


昨日のナイフに次ぐ物騒さ





『なになになに…』



「言ったはずだぞ、俺はこの日のために過ごしてきた」





_パァン!!


そう言って先生は持っていた鉄パイプで画材をフルスイングした

えぇ…





『…っ、』





左腕に痛みが走り、何かと思えば

服の上から破片が刺さっていた。


…軽傷。

うん、直ぐ傷口塞がるわ


刺さった破片を引き抜いて、キャンパスを安全地帯に避難させる





「次何かアクション起こしたら、ペナルティだからな」





その先生の気迫に負けたのか、男子達は美術室から出る。


それを目で追うと、茅野さんと諏訪さんが入り口に居たことに気付く


その2人も戻っていったけど…




残されたのは、頭から血を流してアドレナリン出まくりの先生と私だけ





「…ッ、はぁ…」





肩で息をしてるから相当辛いんだろう


開きっぱなしの扉を閉めて鍵を掛け、出られないようにして先生を見る

先生もこちらを振り向いては、ゆっくりと目を合わせてきた。


…本能的な目をしてるなぁ

本当ならこの状況は危ないから逃げなきゃいけないんだけど、治療が優先


それでもそのままだったら

最悪、正気に戻るまでそれ以上のことをしなきゃいけないんだけど…


理性戻す方も優先した方が良いな。先生のためにも

それに、ほら。あっちは武器持ってるから





『せんせー、せーんせい』



「…ッ、」



『先生、落ち着いて下さい。手当てするので』



「……」



『救急箱、どこですか』



「、あっち……」





ゆっくりといつも通り話しかければ、先生は小さく呟いて指差す

どうやら少し理性が戻ってきたようだ。


指差す先は準備室だから開けられない

その事を先生に言うと、手に握っていた鉄パイプを離して腕時計を触った。


そして解錠音が聞こえると先生はその場にあった椅子に座り込む

それでもまだ、肩で息をしていた。




なるべく早く準備室に入って救急箱を手にして戻ってくる

ついでに、水も持ってきた



床に転がっていた鉄パイプは、また手に取らないように遠くへ蹴り飛ばした









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(プロフ) - ごめんなさい、不謹慎だけど主人公冷静にツッコミしすぎて笑ってしまった笑 (2022年4月12日 0時) (レス) @page32 id: 4806b1b4dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - 苗字で呼ばれるなら変換できるようにしてほしい!自分渡瀬じゃないんで! (2019年3月31日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月17日 23時

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